政治的な問題になってから、南海の中百舌鳥駅急行通過問題が何度も討論されるようになりました。
…が、正直南海内部や行政の人の意見を反映しない「一般人」同士が何度議論しても、不毛以外の何ものでもなくないですか? 一般人は鉄道のダイヤの作り方なんて知らないですし。
何度も不毛な議論をする前にまず「南海公式の見解はこうだ」というのを知ってもらうべく、今日は南海電鉄の見解や統計データ”だけ”をまとめてみました。
(情報提供:ぷにぷに様)
堺市にあった
堺市の「市民の声」に、南海電鉄からの公式見解が掲載されています。
区間急行は、泉北ニュータウン等と大阪市内との速達性・利便性・快適性を向上させる役割を担っていると事業者から説明を受けているところです。
具体的には、準急行の一部が区間急行へ移行したことにより、和泉中央から難波間の所要時分が最大4分短縮するとともに、混雑度の高い区間急行・準急行と、混雑度の低い各駅停車の乗車率が平準化したとお聞きしております。
そのようなことから、停車駅の追加については、需要予測や採算性などを踏まえた事業者による経営判断が必要であり、中百舌鳥駅での停車を今すぐ実現することは難しいと考えられます。出典:堺市『南海高野線中百舌鳥駅を急行停車駅にしてください』2016.9.30
弊社の高野線沿線から通勤・通学されるお客さまのほとんどは、天下茶屋、新今宮、難波方向へ向かわれる方であり、そのほとんどは、急行又は区間急行を利用されています。これらの列車を中百舌鳥駅に停車させますと、大阪市内への所要時分が増加することから、お客さまへのサービス低下となり、急行に乗り換えるためにホームに滞留する利用者の増加が予想され、朝のラッシュ時間帯において現在でも混雑している列車にお客さまが今まで以上に集中することになり、大混雑を招くことになりかねません。現在、中百舌鳥駅には準急行が停車しており、運行本数も十分確保しておりまして高野線、泉北線の両方のお客さまを円滑に輸送することを考えますと現状での運行が最良と考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
出典:堺市 市民の声『中百舌鳥駅の安全を確保してください』2019.3.15
・区間急行は高野線・泉北高速鉄道の停車駅と大阪市内との速達性・利便性・快適性を向上させる役割をもって設定
・区急を中百舌鳥に停車させた場合、上記役割も果たせない他ホームから人が溢れそうになって危ない
・区間急行の設定は御堂筋線開業時の1987年から
乗降客数統計
南海電鉄単独
年度 | 乗車(切符) | 乗車(定期) | 降車(切符) | 降車(定期) |
昭和59年 | 6,643 | 4,609 | 5,714 | 4,609 |
昭和60年 | 6.635 | 4.598 | 6.698 | 4.598 |
昭和61年 | 6.706 | 4.670 | 6.786 | 4.670 |
昭和62年 | 6,811 | 4.719 | 6.876 | 4.719 |
昭和63年 (御堂筋線開業、区間急行運転開始) | 8,473 | 4,998 | 8,392 | 4,998 |
平成元年 | 8,173 | 4,597 | 8,231 | 4,597 |
平成10年 | 8,883 | 4,774 | 8,092 | 4,774 |
平成20年 | 8,932 | 4,274 | 8,357 | 4,274 |
平成25年 (泉北子会社化) | 10,135 | 5,161 | 9,765 | 5,161 |
平成30年 | 10,525 | 5,564 | 10,500 | 5,564 |
単位…1日あたりの人数
泉北高速鉄道直通客
年度 | 乗車(切符) | 乗車(定期) | 降車(切符) | 降車(定期) |
昭和59年 | 52,723 | 39,726 | 51,257 | 39,726 |
昭和60年 | 53.995 | 40.799 | 52.634 | 40.799 |
昭和61年 | 55.275 | 41.798 | 53.945 | 41.798 |
昭和62年 | 57.138 | 43.332 | 56.084 | 43.332 |
昭和63年 (御堂筋線開業、区間急行運転開始) | 47,725 | 36,212 | 46,542 | 36,212 |
平成元年 | 46,674 | 35,421 | 45,990 | 35,421 |
平成10年 | 48,304 | 35,209 | 46,424 | 35,209 |
平成20年 | 40,773 | 28,084 | 39,315 | 28,084 |
平成25年 (泉北子会社化) | 37,724 | 25,729 | 36,476 | 25,729 |
平成30年 | 39,725 | 24,715 | 39,504 | 24,715 |
単位…1日あたりの人数
御堂筋線
年度 | 乗車(切符) | 乗車(定期) | 降車(切符) | 降車(定期) |
昭和59年 (未開業) | – | – | – | – |
昭和63年 (区間急行運転開始) | 25,626 | 16,701 | 25,246 | 15,858 |
平成10年 | 32,041 | 20,780 | 30,242 | 18,514 |
平成20年 | 40,520 | 24,840 | 39,160 | 23,817 |
平成25年 (泉北子会社化) | 39,931 | 15,987 | 38,668 | 15,250 |
平成30年 | 37,554 | 14,131 | 36,487 | 13,643 |
単位…1日あたりの人数
関連リンク
参考文献
堺市「市民の声」
大阪府「大阪府統計年鑑」各年度