阪急電車は、旧型の2300系から現在最新の1000・1300系に至るまで、一貫してヘッドライトが上部真ん中に装着されています。
3000系。伝統的な阪急電車の顔を持つこの車両は、前面真ん中上に2つのライトが装備されています。
新時代の阪急電車の顔を作った8000系。こちらも大きく顔は近代化し、3000系で上にあった尾灯は下に降ろしたものの、ヘッドライトは真ん中上に2灯と変わらず。
8000系よりも近代的な顔立ちで、新しい特急電車のスタンダードとなった9300系。やはり真ん中上ですね。
現在の最新型で、3300系をようやく置換えている1300系もやっぱり真ん中上にライトがあります。
ざっくりと写真で紹介しましたが、時代によってデザインの差はあれど根本的にここだけは変わりません。
いったい何故でしょうか。
道路事情にあった
大阪市交通局の堺筋線乗り入れ時に車両製作に携わった方の文献を見ると、このような記述があります。
阪急路線は、道路と並行して走っていることが多いため、自動車のヘッドライトと識別し易いよう上部に設置することが必要となった。また、阪急路線における高速走行のため光束到達距離(150m?)を確保した。
出典:大阪市交通局互助組合鉄道部「6000が走る~6000が走る紅いほっぺの電車30年の記録~」1999年11月
阪急に乗り入れる大阪市交通局の60系および66系もすべて上部に設置されていますが、「車のヘッドライトと誤認しないように」という理由からだったようです。
おそらく今後、阪急・大阪メトロ共々に新車が出ると思いますが、この方針が変わらない限りは上部ヘッドライトの伝統は維持されていくことでしょう。
阪急だけにとどまらず、関西の私鉄では比較的ヘッドライトを上部設置する事業者が多く見られます。
阪神電車は全車上部真ん中設置、京阪電鉄は上部両端・真ん中上設置ですね。
近鉄はけいはんな線車両や特急電車などで一部腰部ヘッドライトが見られ、南海電車も同様に9000系・1000系は腰部ヘッドライトとなっています。
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