現在日本映画の興行記録を塗り替えてしまっている、映画「鬼滅の刃 無限列車編」。
「鬼滅の刃」は大正時代をモデルにした漫画・アニメで、元となった単行本1億2000万部を突破。
映画興行収入も275億円と、日本国内で公開された洋画・邦画全てを含めたランキングで歴代2位の位置につけています。(1位は千と千尋の神隠し・308億円)
そんな「鬼滅の刃」の映画化にあたって登場したのが「無限列車」という蒸気機関車。
ナンバープレートに「無限」と書かれた蒸気機関車+客車の編成に主人公の竈門炭治郎一行が乗り込み、鬼と呼ばれる敵キャラ「魘夢(えんむ)」との戦いに挑む、というのが今回の映画の大まかなあらすじです。
モデルは実在している
そんな無限列車のモデルは、かつて本当に大正時代を走っていた8620形という蒸気機関車。
11月にJR九州が、保存されている8620形を使って「リアル無限列車」を走らせたのは記憶に新しいところですね。
実は「無限列車」のモデルとなった8620形は、九州の他関西でも京都鉄道博物館にて動ける状態で保存されています。
こちら(左側)がその8620形8630号機です。このプレートを「無限」に変えると、殆どそのまま無限列車になります。
右側にいる「C61」形機関車と比較すると一回り小ぶりなのがわかりますね。
8620形は、あの有名なデゴイチ(D51形/1115両)に引けを取らない、672両もの生産数を誇ります。
京都鉄道博物館に保存されている8630号機は、672両の中で11番目に製造された8620形機関車なのです。製造年度は1914年、大正3年です。
1923年(大正12年)9月、関東大震災の際に撮影された日暮里駅の写真(同じ形式ですが別の機関車)です。
やや見づらいですが「28697」と書かれているのが見え、鬼滅の刃の舞台である大正時代に8620形が本当に運転されていたのがわかる写真です。
この日はピット内でなく、外に出て日光浴。11月はもう冬の弱い光線です。
8620形は「ハチロク」と呼ばれる蒸気機関車。
車で「ハチロク」といえば「AE86形スプリンタートレノ」や「ZN6形 トヨタ86」ですが、鉄道で「ハチロク」といえばこの8620形になるのです。
ちなみに京都鉄道博物館場内を実際にSLが走る「SLスチーム号」というのもあり、8620形も運用につく場合があります。
おそらく12月末頃から開催される鬼滅の刃とのコラボレーション企画「鬼滅の刃 京ノ御仕事 弐」時に走るものと踏んでいますが…さて、どうでしょうか。
客車のモデルは?
「無限列車」には11連の客車が連結されていますが、こちらは正確なモデルはないようです。
京都鉄道博物館内には、少し近い「オハフ33形」が展示されていますが、こちらは1939年(昭和14年)製造なので異なるものです。
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