これを書いている現在、首都圏旅2日目です。JRから流れて来る「ファーン」の警笛が心地良くなってきました。
さて、首都圏の電車を見ていると、どうもおでこ(上部)にヘッドライトがつけられている車両が増えている印象があります。
おでこライトは鉄道の黎明期~1970年頃まではポピュラーな存在でしたが、営団地下鉄丸の内線300形が登場してから、デザイン上の理由で下部へと取り付けられることが増えました。
ところが一転、近年になってまた上部へと回帰しているように思うのです(小田急5000形や東急2020系など、必ずしも上部でないケースもありますが…)
車両リスト
JRのE231系にはじまり
E233系
E235系とJRでは3世代に渡っておでこライト。
相鉄では11000系もそうですね。
9000系では、真ん中下にあったヘッドライトをわざわざ上へ換装して登場しています。
ぎょろっとした目つきが可愛い10000系も、最近上部への換装が始まっているのだとか。
西武では40000系をはじめ、
001系特急「ラビュー」はおでこライトになりました。
東京メトロ1000系もそうですが…
こちらは恐らくデザイン的な都合(初期型車両の復刻)なので今回は省きます。
と、ここまでご覧になったように、確かにおでこ(上部)ライトの電車って増えたように思います。
西武も、設計コンセプトが明快だった30000系「スマイルトレイン」の思想を捨ててまで変えてきています。
相鉄は車両がJRと共通設計だからかな、とも思いましたが、そうでない9000系までもわざわざ変えているのは何か意味がありそうに見えてきます。
合理的な理由?
首都圏の新しい電車ってみんな上側にヘッドライトありますよね〜トレンドなのかな
— Osaka-Subway.com/鉄道プレス (@OsakaSubwaycom) September 29, 2020
この話を投げかけてみた所、様々なご意見を頂きました。
・場所を取る装置(方向幕も同位置にある)であったヘッドライトが、HIDのおかげで小型化・自由化出来たから
・HIDのメンテナンスフリー性によって、交換作業の煩わしさ(上部だと取り替えにくい)が低減
・事故が起きた時に損傷しにくく復旧しやすい、コストが安価
・ホームドアの取り付けで上に設置しないと見えないから
・雨天時などでの視認性が抜群に良い
なるほど、確かにどの意見も合理的な理由に思えますね。
関西の場合
一方、関西は伝統的に上部ライトが多いようです。
阪急は「ヘッドライトは上部でないといけない決まりがある…」という話を聞いたことがあります。
確かに古い2300系~最新の1300系まで全て上部ですよね。乗り入れ先の大阪メトロ66系や先代の60系もおでこライトです。
京阪・阪神も同じく上部が多く、京阪は2600系~13000系まで、阪神もすべての車両が上部についています。
近鉄も長らくそうでしたが、50000系「しまかぜ」あたりから上部ヘッドライトを取りやめています。
関西五大私鉄では唯一、南海のみが上部・下部どちらも採用されていて、1000系・9000系などは下に取り付けられています。
東日本と違い、JR西日本では下部に取り付けられるケースが多く、最新の227系から207系・221系などJR黎明期に至るまで、全て下部に取り付けられています。
上部に取り付けられた車両を探すほうがむしろ難しいぐらいです。