【憧れの】電車の運転手さんになるには?JR・阪急・公営交通…それぞれの現役運転士さんに聞いてみました

【憧れの】電車の運転手さんになるには?JR・阪急・公営交通…それぞれの現役運転士さんに聞いてみました

カッコいい電車の運転士さんになるには、どうしたらいいでしょうか。

既に色々なサイトに書いてあるものの、入社してからのなり方だとか、法令だけがずらっと書いてあるとか、なんか今ひとつぼやっとした回答だなぁと思いませんか?

 

そこで今日は、現役バリバリで運転士をされている方、または将来的に運転士になるであろう立ち位置にいる車掌さん・駅員さんをされている方から、具体的にどのような学校を出て、どのような鉄道会社に入ったのか……その生の声を、会社別に伺ってきました。

 

 

JR西日本

現在、JR西日本で現役バリバリの運転士をされている方からです。

 

Q.高校は普通学校、商業・工業などの専門系学校、それとも高専でしたか?

普通高校でした。その後、専門学校(立志舎)に進学して入社しています。高校の時はまだ鉄道会社へ入ることは考えていませんでした。

 

Q.専門学校でやっておいた方がいい活動ってありますか?

新聞を読んで社会を知ることですかね。筆記試験でも面接でも、一般常識や社会の動きとかは出てきますから…

 

Q.入社試験の内容は?

Webでエントリーして、Web上でちょっとした試験。その後1次試験が筆記と集団面接、最終試験が個人面接…という具合でした。

 

Q.入社試験を行うにあたって、クレペリンや面接等の対策とかもやりました?

クレペリンは専門学校の授業で結果も通知してくれましたし、面接対策もバチバチやってくれました(笑)

面接だけは練習しまくって、「何でも聞いてくれ」状態になって臨んだ方がいいと思います。

 

Q.所属路線の希望って通りますか?

サラリーマンですから…(笑)

一応、希望は聞いてくれますけど、その時の要員の具合にもよりますし、言われたところにいくしかありません(笑)

 

 

Q.最後に……この記事を見ている鉄道運転士になりたい学生さんへメッセージをお願いします

入社して勉強がないと思ってる方は大間違い。勉強の嵐です。そこだけは心得て下さい(笑)

まずは内定を貰えるよう、日々の学生生活をまじめに過ごして下さい。運転士になるための勉強は入社してからで十分です。

鉄道運転士は、お客様の大切な命をお預かりする職責の重たい仕事です。責任が重たい分、やりがいも感じますし、子どもたちに夢を与えることの出来る素晴らしい仕事です。

是非目指してください。そして将来一緒に働けることを楽しみにしています。

 

 

大阪市交通局(公営時代)

まだ大阪メトロになる前の大阪市交通局時代に入局された元運転士さんです。公営交通に入局したい場合の参考になりそうです。

 

Q.高校は普通学校、商業・工業などの専門系学校、それとも高専でしたか?

普通科でした。求人票はなく、公募を見て受験した次第です。採用試験の下調べは殆どしてなかったんですよ…。

 

Q.高校で入っておいた方がいい部活や活動・資格はありましたか?

特にありません。ただ、個人的には団体競技の部活などに入っておくと、(よく言えば)チームワーク重視なので多少なりとも人間関係では摩擦が少なくて済むかもしれません。

良くも悪くも体育会系な職場なので…

 

Q.入社試験の内容は?

英語を除く一般教養地方公務員試験に準ずるものだったのかなと。

 

Q.入社試験を行うにあたって、クレペリン等どんな対策をやりました?

センター試験の対策していたので、そのまま流用というか…

クレペリンは当日初めて知った次第です(笑)

 

 

Q. 元々が交通局希望で、それが通ったということですか?
交通局に行きたかったのに他の局へ回されたというケースを聞いたことがあるのですが…

これ、結構誤解される方もいるようなので…
交通局の場合、現業は交通局職員の採用となり「みなし公務員」となります。なので、あくまで終身交通局在籍が基本になります。

おっしゃってるのは恐らく市役所採用、いわゆる「吏員」ですね。この場合は市役所の地方公務員となりますので、配属はその時次第、部局間の異動も当たり前にあります。

で、市役所採用の人間は殆ど現場に降りてこなかったのが実情でした。なのでまあ、現場と本局の乖離がすごいことになってたわけです。

メトロになって「プロフェッショナル職(現業)」と「総合職」という区分けになりましたが、このあたりは一般の鉄道会社にほぼ準拠しつつあるのかなと思います。

 

Q.所属路線の希望って通りますか?

乗務員登用時、一応は聞いてもらえましたが、確約はありませんでした

 

Q.最後に……この記事を見ている鉄道運転士になりたい学生さんへメッセージをお願いします

うーん…私がえらそうにいえた義理でもないですが…

鉄道のことだけでなく、社会の変化や物事、周囲の人々に対する観察眼といえのをしっかりと養ってください。 これから鉄道運転士というのは徐々に活躍の場がなくなってくることは間違いありません。なので、運転士の仕事さえしてればいいという時代ではなくなります。

そんな中で鉄道運転士という仕事に携わるためには、お客さまがなにを求めているのか、どうすれば鉄道運転士という仕事に価値を見いだされるのか、そういうことにまで思いを巡らせれるような人材になってほしいと思います。

 

 

阪急電鉄

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こちらも、現役バリバリで阪急電車の運転士をされている方にお話を伺いました。小さい頃から阪急の運転士を志すほどの阪急愛に溢れた方です。

 

Q.高校は普通学校、商業・工業などの専門系学校、それとも高専でしたか?

工業高校で高卒採用でした。

 

Q.工業高校に進学されたのは、工業高校だと阪急に行けるという予備知識があったからですか?

中学の進路指導で頂いた資料や、各工業高校のHPに就職実績が掲載されており、そこで知識を得ました。

 

Q.高校で入っておいた方がいい部活や活動・資格はありましたか?

特には無いと思います。私は陸上部(長距離)でした。

 

Q.学校では部活などは無関係とおっしゃいましたが、そうなると注力すべきポイントはやはり学業成績ですか?

恐らく成績に関しては会社へ通知していないように思います。学力は入社試験のみで見られるのではないでしょうか。学校内では、基本的に希望会社が被った場合、評定平均の上位が優先です。

ただし…私は入学当初から、進路関係の行事では事ある毎に、「小さい頃から、阪急の運転士になることが夢です!」などと言い続けていたからか、先生のご厚意で、無条件で推薦枠に入れて下さりました。

第3希望まで書ける希望会社に、第1希望に阪急を書いて、残り2枠を空白で提出し「校内で選考落ちたら、専門学校から阪急目指します」とかも言ったりしてました(笑) 熱意は大事かもしれません

 

Q.入社試験の内容は?

作文・健康診断・学科試験・面接・適性試験です。

 

Q.入社試験を行うにあたって、クレペリン等の対策とかもやりました?

クレペリンはリハーサル程度に数回練習しました。"こういう傾向で回答しろ"ということは学校からは言われませんでした。展開図系の適性試験対策はやっていなかったような気がします。

 

 

Q.最後に……この記事を見ている鉄道運転士になりたい学生さんへメッセージをお願いします

あなたが抱いている運転士への"夢"は、もしかしたら、あの日私が与えることが出来た"夢"かもしれない…そんなやりがいまでも感じることが出来る、素晴らしい仕事です。

私は根っからの鉄道(阪急)好きで、同じく鉄道がご趣味の方もいらっしゃると思いますが、勿論、仕事と趣味とは全く別物です。しかし、好きな事を仕事に出来るということは、人生に於いても、とてつもなく有意義なことだと思いますよ!どうかその情熱を強く持って、頑張ってください!

あなたの夢が叶うよう…今日も家から学校へのご通学、そして将来、私たちの所へ来てくれる日も、安全運転でお運び致します。

ちなみに…(一定数、運動部出身の体育会系が占めている理由もあるからか)運動部、ハキハキ系は好まれると思います。試験に自信が無くても、面接で取り返す!くらい元気で明るく運動部バリに行けば、挽回の可能性大ありです!

 

 

近鉄

こちらもまた、現在現役バリバリで近鉄電車の運転士をされている方からのお話です。

 

 

Q.高校は普通学校、商業・工業などの専門系学校、それとも高専でしたか?

私の場合は普通科の公立高校に通い、学校に来た求人をもとに採用試験を受検したという一般的(?)な流れです。 ただ私の通っていた高校はいわゆる自称進学校であったため電鉄からの求人がなく、就職方面の進路担当の先生に求人を取り寄せてもらいました。

やはり高卒からの就職であれば、

①過去にある程度連続して、鉄道会社へ内定者を輩出している学校、
②あまり進学に重きを置いていない学校

がいいと思います。
(私は1年次から就職希望をしていたら担任からしつこく進学を勧められた経緯があります)

 

Q.入学されたのは普通科目の進学校とのことですが、近鉄に行くことを当初から想定に入学されましたか?

特に近鉄に的を絞ってというわけではなく、高校選びについては通学の便・自身の成績のほか就職実績(過去に鉄道会社への内定者がいるか)を考慮して決定しました。 私の通っていた高校は過去にJR西や南海への就職実績がありました。

 

Q.部活動は体育会系?文化部系?鉄道研究部でした?

高校時分は書道部に在籍しておりました。

 

Q.入社試験はどんな内容でしたでしょうか、また試験にあたって高校でクレペリンや面接などの試験対策で行っておいた方がいいことがあれば教えて下さい

具体的な出題内容についてはあまり記憶には残ってないのですが、試験については筆記、面接、クレペリン及び身体検査が行われました。 筆記についてはごく基本的な一般常識(漢字や四則計算など)、面接については志望動機や自身のセールスポイントなどを訊かれました。

対策についてですが、私の場合筆記についてはとりあえず書店にて一般常識の本を1冊購入して繰り返し解いていました。 面接については巧く言おうとせず自分の思いや考えを素直にハッキリと伝えることを念頭に置いていました。学校でも校長を面接官に見立てて何度が練習の機会も与えていただきました。 クレペリン検査については要領だけでも知っておくと本番で戸惑わずに済むかなと思います。

 

Q.所属路線の希望って通りますか?

基本的には自身の居住地をもとに通勤の便を考慮して配属が決まるため、希望の職場(例えば「しまかぜに乗務したいから高安列車区に行きたい!」など)があってもあまり通らないかなと思います。

ただ、なにがなんでも自宅直近の職場へ配属というわけでもなくその時の人員の状況にもよります。

 

入社後は西大寺教習所で約2週間必要な業務知識を学び、某ターミナル駅へ配属され約1年間駅務係として勤務。

3月頃に車掌試験を受け、約2~3週間ほど西大寺教習所で車掌教習(座学)、その後某列車区へと配属され約1ヶ月車掌見習として乗務し本務辞令拝命。

約2年間車掌をし、4月頃に運転士登用試験をうけゴールデンウィーク明けから約3か月西大寺教習所で運転士教習(座学)、その後見習として現場へ戻り約5ヶ月間マンツーマンで運転の指導を受け、翌1月に免許交付、入社してから約4年弱で辞令拝命…という流れでございます。

 

Q.最後に……この記事を見ている鉄道運転士になりたい学生さんへメッセージをお願いします

これから運転士を目指す学生の方へ。

正直申し上げて、入社してから免許をもらうその日を迎えるまで決して平坦な道ばかりではありません。 一人前になってもさまざまな出来事が次々と起こります。イレギュラーな事態に、限られた時間で瞬時の判断を求められることもあります。 正直ラクな仕事ではありません。不規則な勤務形態ゆえに体力も必要です。 職場では20歳そこそこから60歳以上の人間がおり人付き合いに苦労を感じる面もあります。

 

しかし大変な部分も多い反面、そのぶん仕事自体には大きなやりがいも感じることができるでしょう。

ラッシュには自分の背後に1000人超の満員のお客様を乗せて運転することも日常です。シビアなダイヤの中を時刻表と時計、前方の信号とにらめっこを繰り返し安全無事に終点にたどり着いたときは達成感や爽快感さえ覚えます。 運転士を夢見る皆さんにもぜひ、大変さや苦労の裏にある「やりがい」という充実感を感じてほしいと思います。

夢は見るためにあるのではなく、叶えるためにあります。 もちろん免許をもらえば終わり、ではありません。その先には「こんな運転士になりたい」そんな目標がきっと見つかるはずです。 必ず叶えるという信念と、叶えるようとする努力、その二条のレールに気持ちが載ればあとは前を見て進みましょう! 動力車操縦者の免許証を手にした感動は一生の宝になりますよ。

 

 

 

 

JR東日本

元々関東系の大手私鉄に入社後、JR東日本へと転職された方です。

現在はまだ駅員さんですが、今後運転士になるつもりである、とのこと。

 

 

Q.高校は普通学校/商業・工業などの専門系学校/高専のどれか、もしくは違う選択肢でした?

京都にある専門学校です。高校は公立普通科を出ています。

 

Q.JR東日本へ転職を志された理由はなんだったのでしょうか

実は、去年のJR新卒枠、去年のJR中途枠、去年の(東京)メトロ中途枠、今年のJR新卒枠と4回受験してるんですよ。

 

前職である関東系大手私鉄の勤務体系に48時間勤務というのが存在しまして…要は2泊3日の勤務なんですね。若手の頃はともかく、40,50と家庭持ちの助役さん方でもやってらっしゃるとこれは確実に身体壊すなと思いまして…。

それでも他の業界へ移るよりは前職で我慢しようと思ってまして、正直JRへの転職はダメ元だったんですが、3度目の正直で受かった感じです。

ですので、前職が嫌で辞めたというよりは、もっと良い条件の会社に内定をいただけたから辞めたって感じですね。

 

 

Q.入社試験はどんな内容でしたでしょうか、また試験にあたって専門学校でクレペリンや面接などの試験対策で行っておいた方がいいことがあれば教えて下さい

クレペリンと基礎常識テスト(SPI)、個人面接の3種類でした。 働きながら受験しましたので特に対策はしてませんでしたが、運良く内定いただけたという感じです。

内容として、中途採用枠ではなく、あくまで新卒枠(第二新卒)でしたので聞かれることはあまり1社目と変わりませんでした。ただ自分の経歴的に同業から同業への転職ですので、転職の目的などそこは少し掘って質問された感じです。

 

 

Q.所属路線の希望って通りますか?

異動先を自ら志願できますので、何年か働いて立候補できるような経歴になるとキャリアビジョンとしては思い通り描くことも可能ではあります。

 

Q.最後に……この記事を見ている鉄道運転士になりたい学生さんへメッセージをお願いします

多くの鉄道会社は、入社すると自動的に駅員→車掌→運転士と進むのがセオリーとなってます。

運転士になることよりも、鉄道会社に入ることの方が難しいといえます。 数年後に就活生になる方々、まさに今年就活生の方々、今頑張れば将来は楽しく仕事ができます。頑張ってください。

 

 

 

東武鉄道(東武ステーションサービス)

大阪から、東武鉄道の駅員さんが所属する子会社である東武ステーションサービスへと就職された方です。

 

 

Q.高校は普通学校/商業・工業などの専門系学校/高専のどれか、もしくは違う選択肢でした?

大阪府にある専門学校大阪IT会計専門学校」で、旅行業や鉄道業、ホテル業に向けて学ぶ学科を出てます。

 

Q.専門学校はその電鉄会社に行くことを当初から想定に入学されましたか?

私自身はたまたま内定をいただけたというだけで、正直しっかりと考えていなかったので鉄道会社ならどこでもいいかなという安易な気持ちでした。もちろん入社の時点で業界としては鉄道会社を目指すという気持ちで入学はしています。

 

Q.入社試験はどんな内容でしたでしょうか、また試験にあたって専門学校でクレペリンや面接などの試験対策で行っておいた方がいいことがあれば教えて下さい

クレペリンと基礎常識テスト、集団面接、個人面接の4種類でした。

新卒でまさに鉄道会社へ向けての学校でしたので、クレペリン、SPI、面接ともに対策はしていました。 面接は主に自己分析と志望動機がメインになると思います。

 

 

Q.所属路線の希望って通りますか?

正直ほとんど通らない、考慮されないといっても過言ではないです。 もちろん偶然希望通りの職場で働ける人もいらっしゃいますが…

成績や勤務態度の評価などで、異動先の希望等を優遇してくれることなどはあると思いますが、新入社員の時点でそれを期待するとガッカリする場合も十分にあり得ると思われます。

 

 

Q.最後に……この記事を見ている鉄道運転士になりたい学生さんへメッセージをお願いします

鉄道が好きな人であれば、鉄道会社で働けるのはこれ以上ない喜びかと思います。 よく鉄道マニアは入社できないとか言われますが、そんなことはありません。弊社では半分くらいが鉄道好きを理由に入社していました。こういった噂には気にせずひたすら夢に向かって頑張ってください。

それなりに体育会系の職場も多いですので、学生のうちに運動部を経験していたり(面接の話題になる)、就活前にはしっかり自己分析をして対策をしていると、夢も手の届く範囲になります!

 

 

 

抑えたい3つのポイント

いかがでしたでしょうか。6人の先輩の声をまとめてみると、おおよそこんな感じでしょうか。

 

1.高校選び

高校卒業で入社する場合は、普通高校、専門系高校どちらでも可能なようですね。普通高校の場合は専門学校へ進学してから入社されるケースが多く見受けられました。

高校の種類よりも、過去に採用実績のある高校を選ぶことが大事なようで、そのあたりは学校のWebサイトや学校案内を見ながら選ぶことが重要になってくるでしょう。

 

(上記インタビューした方とは無関係の)私の個人的な知人でいうと、大阪府の場合は都島工業高校・今宮工科高校・淀川工科高校などの工業系、大阪ビジネスフロンティア高校(旧天王寺・市岡・東商業高校)からの入社例がありました。

逆に普通高校からストレートで私鉄に入社された方は聞いたことがなく、いずれも立志舎・大原などの専門学校、もしくは大学を経て入社されるケースが多かったように思います。

 

1.実際に私が聞いた入社実績のある高校・専門学校

【工業系】
・都島工業高校(大阪でトップの工業系高校です)
・今宮工科高校
・淀川工科高校
・布施工科高校

【商業系】
・大阪ビジネスフロンティア高校(大阪でトップの商業系高校です)

【専門学校】
・学校法人立志舎
・大原学園

 

2.Webサイトに就職実績が掲載されている大阪の高校

【工業系】
・都島工業高校(令和元年3月卒業生…大阪市高速電気軌道[Osaka Metro]、京阪電気鉄道、JR東海、阪神電気鉄道)
・淀川工科高校(令和元年2月時点…JR西日本、大阪市高速電気軌道[Osaka Metro]、京阪電気鉄道、大阪高速鉄道[モノレール]、阪急電鉄、JR東海、阪神電気鉄道、)
・藤井寺工科高校(令和元年3月卒業生…大阪モノレール、大阪市高速電気軌道[Osaka Metro]、近畿日本鉄道、JR東海、南海電気鉄道、JR貨物関西支社、阪神電気鉄道)

・茨木工科高校(過去3年という若干アバウトな記載…西武鉄道、東京地下鉄[東京メトロ]、JR西日本、JR東海)

【商業系】
・大阪ビジネスフロンティア高校(年度表記がないものの、進学実績数値から1年と判断…大阪市高速電気軌道[Osaka Metro]、JR東海)
・淀商業高校(平成29年3月卒業生…阪急電鉄)

 

私の実体験と公式webサイトとをあわせて掲載しましたが、概ねそれに沿った感じでしょうか。

ただ、やはり工業系だと選択肢が多いようですね。また、JRや大阪メトロは幅広く採る感じですが、私鉄だと基本的に立地している場所に近いところが選ばれる傾向にあるようです。

 

今回のテーマは「電車の運転士になるには?」ということで運転士さん、もしくは将来的に運転士さんになるポジションの車掌・駅員さんに限った紹介としていますが、総合職と呼ばれる本社勤務の場合ですと、京都大学や大阪大学、大阪市立大学からの入社例があります。

 

 

 

 

2.色覚異常がないか

出典:http://www.ikec.jp/inst/i_shikikaku/

 

電車の運転士さんになるには、色覚異常がないことが大前提です。上の図の数字が読めない場合は、学業成績が高くとも恐らく通りません。

2003年までは学校で検査が行われていましたが、現在「差別される可能性がある」という観点から学校で検査してもらえなくなったので、自分で眼科に行って検査してもらう必要があります。

 

 

上図は「石原式色覚異常検査表」と呼ばれるものですが、これがしっかりと見えるかが基準となります。

 

鉄道運転士については、電車の運転免許である「動力車操縦者免許」の受験資格に色覚に異常のある者の受験を認めていません。これは『動力車操縦者運転免許に関する省令』という法律に基づくもので、会社ではどうにも出来ないのです。

ちなみにこの色覚異常は日本人男性の5%(約300万人)に上るなど、比較的多く見受けられるので、「俺は大丈夫」と高をくくってると痛い目にあうかもしれません…。

 

 

3.クレペリン検査に通るか

次に「内田式クレペリン検査」というものを行います。

これは1930年に内田勇三郎氏が開発した、性格検査・職業適性検査のことで、電車や機関車の運転士の資格である「動力車操縦者」ではこのクレペリン検査が法によって必須とされています。

これは、数字の足し算を左から右へひたすらにやっていくという検査です。

 

例えば、上図の①の一番左は0と6が並んでいますが、この足し算をします。答えは6なので、数字の間に「6」と記入します。

次は「6」と「8」が並んでいるので、答えは「14」です。しかしこの検査では、二桁目の数字は切り捨て一桁目の数字だけを記入します。ですので「4」と記入します。

 

この計算を前半15分間、後半15分(間に休憩5分)の30分間やっていくのが、このクレペリン検査です。

 

 

内田式クレペリン検査の公式サイトによると、

内田クレペリン検査は、「人が作業(行動)するときの能力」と「その能力を発揮するときの特徴」のふたつをまとめて測ることができます。

「能力面の特徴」は知能との相関も高く、受検者が与えられた作業をどれだけ早く処理できるか、効率よく作業がこなせるかを現しています。いっぽう、「能力を発揮するときの特徴」は、わたしたちが「性格」と呼ぶ特性と重なるところが多くあります。

出典:内田式クレペリン検査「検査について

が測れる、としています。(測定内容や解釈の曖昧さに対して批判が多いものでもあります)

 

 

この検査では

・計算量(どれだけ計算が出来たか)
・正答率(どれだけ正解か)
・作業曲線(出来た答えの末尾数字を繋いだもの)

を見ています。

例えば、15分の間で3つしか計算が出来ない人は、そもそも社会人としての適性がないと判断されて当然ですよね?

 

理想のグラフはこういった

①前半よりも後半の方がよく出来ていて
②時間ごとに段々と消耗していく

という形になります。グラフでは作業量が4段階に分かれていますが、それぞれA/B/C/D段階と区別するようです。

ここから極端に離れていると、「何らかの問題がある子なのでは?」と疑われます。

例えばあまりにグラフが上下に振れていると「情緒不安定」、後半作業量の落ち込みが激しいと「疲労回復力がない」という判断がなされます。

 

 

内田クレペリン検査の判定は,先ず「総合評価」として5段階(高度定型群・定型群・準定型群・非定型群・重度非定型群)の評価が行われる。次に,「総合評価」の結果を細かく見ることによって,「能力面の特徴」が6段階,「性格・行動面の特徴」が7段階で現される。それぞれ,段階が低い方が高評価ということとなる。ここで,「能力面の特徴」は3段階以上,「性格・行動面の特徴」は4段階以上が注意を要するとされる3-5)(表1)。
また,内田クレペリン検査結果のうち,「能力面の特徴」は知能や学業成績,「性格・行動面の特徴」は内面的要素(気分的なムラ・自己中心性など)への関与が考えられる

出典:吉澤隆志、藤沢しげ子「内田クレペリン検査と留年・退学者との関係」『理学療法科学 23(2):275–278,2008』

 

内田クレペリン検査の結果の評価方法について簡単に説明する。本検査は,作業量および作業量の変動と計算誤りから評価を行う(中略)

鉄道事業者においては,現在この評価は,検査員の直観判定,あるいはソフトウェアによる数量判定を参考にした検査員の直観判定に基づいて,曲線類型により行われる。曲線類型はカテゴリ変数で,まず作業量に応じて4段階(A~D)に分類され,さらにこの段階ごとに定型特徴・非定型特徴の程度に応じて分類され,たとえば A 段階なら 6 類型のいずれかに評価される。

直観判定では曲線類型が検査員により主観的に判定されるが,数量判定では PF 値が算出され,おもにそれに基づいて曲線類型が判定される。PF 値とは,Profile Fluctuation(曲線変動)の略で,1分単位の作業量に基づき算出される連続量で,結果の定型特徴が多いほど数値は小さく,逆に非定型特徴の程度が著しいほど,また種類が多いほど数値は大きくなる(中略)

内田クレペリン検査のプロフィールの判定は,1 分単位の作業量に応じて作業量の段階をA~Dの4つに区分(鉄道総合技術研究所では 4 段階だが,日本・精神技術研究所では前記 A 段階をさらに2つの段階に区分している。JR 各社は前者の区分で実施しているため,本論文ではこの区分に沿って記述する)した上で,曲線の形状の判定は検査員の直観判定により行われてきた。

判定結果は,曲線類型という離散的な判定区分で示され,たとえば作業量が A 段階の場合,定型的な曲線(基準となる曲線)からのずれの程度および非定型特徴(はげしい動揺,後期作業量の下落,後期初頭の著しい出不足などいくつかの種類に分けられる。

出典:楠神 健「鉄道の運転士を対象にした心理検査の評価と活用に関する研究」

 

 

まとめ・謝辞

ということで、よりリアルな声を現役運転士さんからインタビューし、実践的なポイントをまとめた今回の記事、どうでしたでしょうか。

鉄道運転士になりたい!」と志される方へ、その第一歩となるような記事になれると嬉しいです。

「もっとこんな事が聞きたい!」などの声がありましたら、可能な限り反映させて頂きますのでSNS等でコメントを頂けると幸いです。

 

今回の記事作成にあたっては、「後輩のためなら」「夢に向かわれている学生の為なら」と各運転士の皆様から快くインタビューに応じてくださいました。各職に今日も奉職される皆様に、心から感謝申し上げます。

 

 

参考文献

中塚 善次郎「内田クレペリン検査の作業曲線 Ⅱ」、『心理学評論 Vol.20』1977

楠神 健「鉄道の運転士を対象にした心理検査の評価と活用に関する研究」

吉澤隆志、藤沢しげ子「内田クレペリン検査と留年・退学者との関係」『理学療法科学 23(2):275–278,2008』

 



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