台風21号の影響で橋脚が陥没し、線路も巻き添えを喰らった南海本線 樽井~尾崎間にある「男里川橋梁」に行ってきました。あわせて、今回の事故の状況もまとめてみました。
事故について
まず事故について。新聞各紙によって情報が倒錯していますが、南海電鉄事情に詳しくいつもお世話になっているちゅももっとさんによると次の通りです。
男里川の事故当該車両(7100系7185F)は、男里川の氾濫による線路陥没を現場50m前で確認し事故現場手前で非常ブレーキで停車。この際、現場を270m過走。この時点で防護無線を発報して運転中止。(【追記】一部、誤認があったので修正しています)
警察誘導の下、乗客を下ろし尾崎方面へ避難誘導。完了後、15km/h以下で当該編成を尾崎駅まで引き上げ。24日現在、尾崎駅構内にて留置中。
24日、運輸安全委員会が調査に乗り出した模様で、復旧までは相当時間(~年末?)を要する見込み。
新聞によっては「通過せず、手前で緊急停止した」という文も見られますが、こちらのツイートを見るにあくまで現場は通過した模様です。
橋の状況
遠くから見てもかなりの陥没具合がわかります。
橋脚はなんとレンガ造り。尾崎~樽井の開業は明治30年ですが、もしかしてその頃からのものでしょうか…?
【追記】今回の橋脚は、99年前(大正7年)に設置されたものなのだそうです。
橋が99年前に設置され、少なくとも過去10年間は補修をしていなかったことが25日、南海電鉄への取材で分かった。(中略)
事故は下り線で発生。橋の下りは大正7(1918)年、上りは明治30(1897)年に設置された。支えていた橋脚6本のうち1本の橋脚上で線路にゆがみが生じた。同社の担当者は「定期検査の結果、補修の必要はないと判断した。事故原因はまだ分からないが、あらゆる可能性を考えて再発防止策を講じたい」と話した。
出典:http://www.sankei.com/west/news/171025/wst1710250042-n1.html
反対側の橋が明治30年製、今回の事故当該の橋が大正7年製…ということでした。複線化にあたって新たに橋を建造する際、下り線の方を新設したようですね。
橋梁説明書を見ましたが、塗装した日付だけが書かれていて製造年日などは未記載でした。
線路内側より。橋脚に関しては「杭が折れたのではないか」という話もあるようですが…?
【追記】こちらのブログさんで平時の橋脚根本が撮影されていたので併せてご覧ください
作業員の方にお話を伺ったところ、「復旧日は見当もつかない」とのことでした。現場の空気がかなりどんよりしており、事の重大さを感じました…
かなりの一般市民が見に来ておられ、事故の影響の大きさが窺えます。
線路の状況
線路はご覧のように、かなりの歪み…
正面から見ると、垂直に陥没したのではなく、多少横方向にもズレていることがわかります。
わずか2日しか走っていないだけですが、既にレールは錆化が始まっていました。
尾崎駅の現状
尾崎駅では、折り返し運転が想定されていないことから、手旗信号による電車の誘導が行われているようです。その関係上、30分に1本のペースでしか走行できないようです。