現在、「えきねっと」はアクセス集中によりつながりくくなっております。新規お申込みはしばらく経ってからお試しいただくか、みどりの窓口・指定席券売機をご利用ください。本日分のご予約をお持ちの場合で、本日分の列車への変更や、払いもどしが必要な場合はみどりの窓口までお申し出ください。
— JR東日本【新幹線】運行情報 (公式) (@JRE_Super_Exp) April 13, 2022
⚠️お知らせ⚠️
現在、アクセス集中によりつながりにくなっております。新規のお申込みはしばらく経ってからお試しいただくか、みどりの窓口・指定席券売機をご利用ください。— えきねっと【公式】 (@Ekinet_jrnets) April 13, 2022
2022年4月13日5時頃から13時頃にかけて、JR東日本の「えきねっと」がアクセス集中によってサーバー落ちしたようです。
えきねっととは
JR東日本の切符オンライン予約サイト。西日本でいう「e5489」
従来はみどりの窓口で購入していたJR全線の切符や座席指定券が購入できる。
この事態を受けて、JR東日本の公式Twitterが「みどりの窓口へお申し出ください」と書いたところ、多数の批判が寄せられて炎上気味になっています。
なぜ批判される?
今回の炎上は、
公式が「えきねっとを使えば便利になるよという名目」でみどりの窓口を大量に閉鎖する
▼
東北新幹線が明日から復旧する&GW期間の切符販売を一斉に開始
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…という肝心な時に、そのえきねっとがサーバーダウンで使えない
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みどりの窓口の数が減った結果、1時間近く並ばされる
という、企業側の怠慢が原因です。
いわば、顧客のニーズが全く掴めていないのです。
ここで、みどりの窓口を閉鎖するプレスリリースを出した時の文言を見てみましょうか。
「シームレスでストレスフリーな移動」の実現に向けて取り組んでいます
出典:JR東日本 1)
シームレスでストレスフリーとはなんだったのか…?
まだ「人員不足が理由で…」とリリースを出していたのなら同情の余地もあったでしょうに…
大量に閉鎖された「みどりの窓口」
「みどりの窓口」とは、JR全線の切符が購入できる有人窓口のことです。
駅員さんがマルス端末を駆使して、各種乗車券・特急券を発券してくれるサービスカウンターのようなもので、鉄道旅行には欠かせない存在……なのですが、
JR東日本は2021年5月から「大量に閉鎖する」と発表しており、実際この半年でかなりの数が閉鎖されてしまいました。
【参考】みどりの窓口の閉鎖駅
・東京地区
浅草橋、両国(2021年1月31日)
水道橋、五反田(2021年3月12日)
・横浜地区
保土ヶ谷(2021年9月15日)
大磯、新川崎(2021年9月15日)
大口、鴨居(2021年9月28日)
成瀬、古淵(2021年10月7日)
石川町、本郷台(2021年10月28日)
尻手、根岸(2021年12月9日)
菊名、逗子(2021年12月20日)
・東北地区
松島海岸(2021年11月14日)
東北福祉大前(2021年9月30日)
栗橋(2022年1月14日)
・新潟地区
羽生田(2021年1月31日)
一部参考:JR東日本労組横浜地本 2)
ざっくりと数えても21駅ですね。
綿アメさんのまとめツイートから見るに、おそらくまだまだあると思います。
一部駅では指定席自動発券機や通話型の自動券売機もあるようですが、そもそもそれらでは対応できない事例も多いことが、今回の炎上に繋がっています。
一般的な乗車券の発券だけなら自動券売機でも事足りるのですが、企画きっぷの発券や払い戻しなどはそれらで対応できず、有人の「みどりの窓口」が必要になります。
この事態を受け、14日から全線再開する東北新幹線の切符を求めて仙台駅では大勢の乗客が長い行列を作っていたようです。
また、ネット上でも
・技術の発展で鉄道車両自体は高速化したのに、切符を買うまでの時間が伸びたせいで結果的にトータルで見るとスピードダウンしている
などなど、当然ではありますが痛烈な批判を受けています。
JR東日本では、今後も2025年までに300駅のみどりの窓口を閉鎖する予定だそうですが、大丈夫なのでしょうか。
他のJRでも
尚、同じくみどりの窓口を大量に閉鎖したJR西日本でも同様の事例が起こっているようで、切符を買うのに36人、35~50分待ちという事態になっています。
要するに閉鎖した窓口の分の代わりとなるオペレーターをろくに増員もしてないからこのようになっており、完全にキャパシティ不足の様相を呈しています。
これらは労働人口の減少もあるのだとは思いますが、中期的展望としては基本的な券売業務の制度設計を今一度考え直す段階なのかもしれません。
関連リンク
参考文献
- JR東日本『チケットレス化・モバイル化を推進し、「シームレスでストレスフリーな移動」の実現に向けた乗車スタイルの変革を加速します』、2021年5月11日
- JR東労組『横浜地本情報第141号「2021年度駅業務執行体制の再構築について」提案を受ける②』