鉄道車両を指す場合に「○○○○F」という簡易的な表現をする場合があります。
FはFormation(編成)の意味で、確認できる限りではインターネットが普及し出してからの言葉です。
例えば大阪メトロの場合、谷町線30000系の11番目の車両のことは、車両前面に表示されている数字から「32611F」または反対側の「32911F」と書きます。
厳密に言うと「○○○○F編成」という書き方は、編成という意味の言葉を2度使うことになるので日本語的には正しくありません。
しかしながら、言葉の意味というのは時代とともに変化していくものなので、あくまで原典を辿れば正しくないというだけで、今時の使い方として今後定着する可能性もなくはありません。
また、あくまで「○○○○F」は俗称であり、正式な場で書く必要がある場合は「○○系○○編成」と書くのが一般的です。
阪急の場合
阪急の場合は少し事情が異なり、「C#○○○○」と書きます。C#は「カーナンバー」のことを表します。
中の人の編成表記が話題ですか!?
新入社員の頃は、
編成を表す:2313×7R
1両を表す:C#2313
という表記で習い、「しーしゃーぷ」と読んで先輩にツッコまれたこともありました。正しくは「かーなんばー」と読みます。今も変わっていないと思うのですが・・・。— 阪急電鉄 【公式】 (@hankyu_ex) May 19, 2015
阪急電鉄公式Twitterがこう書かれているので、おそらくは内部公式のものです。
何故阪急だけこういう表記の仕方をするのかはよくわかりませんが、原則的に阪急独自の書き方であり、他社においてこういう書き方をすることに不快感を示される方もいらっしゃるので、注意が必要です。
ああ、前置きなしに「C#○○」と言い出す阪急関係者やそれ真似する連中はもうひとつ性質が悪い。私はあれで阪急があまり好きじゃなくなった。
— 靖間 誠 (@SEI_YASUMA) July 17, 2017
近鉄の場合
近鉄の場合は更に事情が異なり、「電算記号」と呼ばれるアルファベット2文字と、下2桁の数字で編成を表します。
電算記号とは、形式でのグループ分けではなく、性能・運用を基に定められます。
例えば中央線と直通している近鉄7000系・7020系の電算記号は、共に「HL」です。7000系08編成の場合、呼び方は「HL08」となります。
この他、有名どころを取り上げると、以下の電算記号が付与されています。
ひのとり:HV
しまかぜ:SV
アーバンライナー(21000系・21020系):UL
さくらライナー:SL
伊勢志摩ライナー:ISL7000系・7020系(大阪市営地下鉄中央線乗り入れ車):HL
3200系・3220系(京都市営地下鉄烏丸線乗り入れ車):KL
阪急のケースと違い、こちらは完全に近鉄でしか通用しない呼び方で、他社でこのように呼ばれることはほぼありません。