神戸高速鉄道の高速神戸~新開地駅間をつなぐ地下道、「メトロこうべ」に行ってきました。
ここは300m近くに渡る地下道なのですが、三セクが管理する例にもれず、ろくに改装されず昭和な雰囲気がそのまま残っている廃れっぷりを見せています。
そんなメトロこうべも阪急・阪神の資本が入ったこともあるのか、天井や壁面の入替。LED照明化等を伴う今どきっぽいリニューアル工事が行われると2021年7月21日に発表されました。
総工費は6億円で、国と神戸市から補助金を受けて施工。2022年3月に竣工予定となっています。
この昭和っぽい地下道もまもなく見納め。ということで、今日はリニューアルされる前のレトロこうべ……ならぬメトロこうべ(と神戸高速鉄道)の今を記録してきました
新開地駅から…
スタートは新開地駅から。ここは神戸電鉄・阪神電鉄・阪急電鉄・山陽電鉄の4社が乗り入れるターミナル駅。
…なのですが、乗換時以外の活気が今ひとつありません。
ここ最近話題の駅コンビニ。神戸高速鉄道はセブイレでした。
阪急阪神の資本参加により、阪神方式の液晶ディスプレイが取り付けられています。
上階にある改札を出てメトロこうべに向かいます。
地下道へ
「メトロこうべ」に入ります。この日は35度を超える猛暑日でしたが、冷房などなく非常に蒸し暑い状態でした。
壁面には往時を偲ぶような絵画がずらっと並んでいます。コンセプトがイマイチ掴みづらい。
なんか……このなんともいえない場末の感じ。
暗くならないよう、「せめて壁面には楽しさを」と無理にポップさを作り出そうとしてるのが逆効果になってませんか…。
卓球場
「メトロこうべ」といえば卓球場ですよね。1971年からあるという由緒正しきスポットです。
開業からしばらくして「地下道に何か入れたいな→卓球場にしよう!」と思った人、普段何を食べてたらそんな発想が出てくるんでしょうか。
ちなみに卓球場は後述するところと2箇所あるんですが、西側(新開地側)にあるこちらは元々ゲームセンター「ZOO」がありました。
末期は集客策なのか、毒舌を放つ美少女キャラのポスターがあったそうなのですが、2015年5月末をもって閉店しました。
こちらは、昔からある方の卓球場。
まるで「アカギ」に出てくるような暗く陰気臭い場所だったのですが、近年リニューアルされたのか、妙に明るくポップになりました。
この卓球場、結構人がいるのにびっくり。この日も5組ほどが卓球を楽しまれていました。意外と神戸市民にはしっかりと周知されているのかもしれません。
ただ、地下で冷房もないのでめちゃくちゃ暑いんですが、そこは気にしないのでしょうか
2つの卓球場の間には自由に弾けるストリートピアノが置かれていました。昨今YouTubeで流行りの「弾いてみた」動画に便乗しようとしたのかもしれません。
書店
メトロこうべの、もう一つ有名なスポットが古書店。
ここは地下道のスペースを活かした大きく広がる売り場が名物だったのですが……
…あ、あれ?
この一帯にもずらっと書店があったのですが……閉店している。
後で調べてみると、ここには上崎書店という本屋があったそうですが、2017年3月10日をもって閉店。新開地商店街にある本店へ移転統合したとのこと。
残念ですが、残る「泉堂書店」と「昇平堂書店」さんは元気に(?)営業中でした。
こういうのはやはり、地下道建設時の立ち退き時に等価交換で手に入れたとかなのでしょうか。
ただ防火法の関係なのか、以前よりも売り場が狭くなってしまっています。
前は卓球場と同じく暗い場末のような売り場で、このシャッターの手前にもずらっと本が置いてありました。
…それにしてもここ、湿度めちゃくちゃ高い地下通路なんですが本にとっての環境的に大丈夫なのか…
パネル
書店を通り過ぎると、メトロこうべの記念パネルが飾られていました。
阪神電車・阪急電車の他、見切れていますが山陽電車と神戸電鉄の電車も登場しています。
先述の通り、メトロ卓球場は1971年に誕生したんだそうです。
高速神戸駅に到着
「300m?いやいやもっとあったやろ」と思うような長い通路を経て、高速神戸駅に到着。
おそらく開業当時からの駅名標が現在も残っています。
一昔前の大阪市営地下鉄を彷彿させるかのような駅風景。どこか懐かしいですが、劣化は否めません。
先述の通り、近年阪神・阪急の資本が入ったことで、駅名標や発車標などにもその影響が見られます。
以前は山陽電鉄テイストのLED式だったのですが、2017年頃から阪神テイストのディスプレイ方式へと変わりました。
…と、山陽5000系が到着。
阪急三ノ宮~姫路間で折り返し普通電車を運行しており、高速神戸駅で阪神からの直通特急と、次の新開地駅で阪急からの特急と接続する非常に使いやすいダイヤ編成となっています。
そんなダイヤということもあって乗ってる人からすると高速で過ぎてしまう神戸高速鉄道ですが、是非足を運んでみて下さいね。