1977年から「ジェット・カー」の愛称で親しまれてきた青胴車こと5001形車両。そろそろ引退の時期が近づいています。
— 阪神電車【公式】(阪神電気鉄道) (@hanshin_pr) February 19, 2024
2月17日(土)に、5001 形さよならイベントとして、尼崎車庫で撮影イベントを実施しました!#阪神電車 pic.twitter.com/ZZfDi7s5G5
2024年2月17日、阪神電鉄は尼崎車庫にて有料制の「ジェット・カー撮影会」を開催しましたが、不満の声がかなり上がっていて、更に公式のツイートがやや炎上気味になっています。
お金を出したのに逆光…
撮影会は、阪神電鉄の尼崎車庫で13時半~16時の間に実施されました。
尼崎車庫は東西方向に設置された車両基地なので、午後からだと西側からは順光、東側からは逆光での撮影になります。
この写真は尼崎車庫を13時半に西側から撮影したものですが、このアングルだと綺麗に光が当たっていますよね。
しかし、残念ながら今回の撮影会は
・反対の東側から行われて逆光だった
(事前問い合わせで順光にすると言質を得たという情報もありますが、信憑性がハッキリしないのでここでは取り上げません)
・無料ではなく15,001円という高額な参加費
・ジェットカーと関係性が薄い武庫川線の電車も並ぶ
…といった残念ポイントが複数あった他、趣旨が一般利用者ではなく玄人揃いの鉄道ファン向けだったこともあって、大きく物議を醸すこととなってしまいました。
上記阪神電鉄公式ツイートの引用RTを覗くと、かなり不満の声が広がっている様子が伺えます。
発表はどうだった?
ここで、当時の阪神電鉄のプレスリリースをもう一度見てみましょう。
【ポイント】
・阪神電車尼崎車庫において、まもなく引退の 5001 形車両を間近でゆっくり撮影していただけるほか、
車両装置の動作や音を見学していただけます。
・実際の運用で使用していた部品のプレゼント(参加者記念品)や、過去のヘッドマーク・副標の展示などこの日限りの特別展示(撮影可)を行います。
※車両運用等の都合により、予告なく展示車両や実施内容が変更となる場合があります。(中略)
■実施内容:
➀ジェット・カー撮影 (車庫線)
・当社ジェット・カーを複数編成横並びに配置し、撮影会を実施
②5001 形装置動作見学(車庫線)
・列車種別行先表示器(方向幕) ・制御装置電動カム軸動作 など
③5001 形車両撮影(車庫線)
・お好みのヘッドマークや看板を掲出し、撮影会を実施出典:阪神電気鉄道 1)
一通り読んでみましたが、詐欺的な要素はなく一応謳われている内容通りにはなっていますね。「5001形車両」はきちんと来場していますし、「ジェットカー複数編成の並び」もしっかりと出来ています。
鉄道という交通インフラの関係上、どうしても車両の運用が変わってしまうのは致し方ないですし、そこには全く異論ありません。
…ただ、同じ鉄道ファンの心理として言わせてもらえば、上記プレスリリースにイメージとして採用されているのは綺麗に撮影された順光写真なので、「お金を出せばこんないい写真が撮れるんだ!」と考えちゃいますよね。
案内には東からの撮影なのか、西からの撮影なのか、すなわち逆光になるか否かを確認できる情報が見当たりません。
また、「ジェットカーの並び」を謳いながら武庫川線の電車を持ってきたのも、正直あまりわかっておられないのかなぁと勘ぐってしまいます。
厳密には、ピンク色の武庫川線電車(5912F)は、元ジェットカーである5500系ではあります。
しかし、ジェットカーといえば一般的に「阪神本線を走る青胴車」を指すので、このカテゴリーにあまりふさわしいとは言えません…。
運用の都合上、本線用の青色5500系来場の都合がつかなかったのでしょうか。
鉄道事業者側としてもこうした有料イベントはまだ手探りだと思いますし、不慣れな中でこういった撮影会イベントを企画・開催されるのは大変なことです。
JR東日本の長岡運輸区ではこのような事態を防ぐため、事前に社員さんが実際にカメラを持ち、光線状態の確認などを含めたリハーサルを行った事例もあるそうです。
もう少しファン側からのフィードバックを確認して、将来的に事業者・ファン共に納得できるイベントが出来るといいですね。
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