内方乗車(ないほうじょうしゃ)とは、簡単に言うと切符券面の始発駅ではなく、途中の駅から乗車することです。
いわば途中下車の対となる概念で、「途中乗車」とでもいうべきでしょうか。
多分、言葉は知らなくとも内方乗車をしている人は多いかと思います。私もそうでした。
内方乗車
切符の始発から乗らず、途中から乗ること
途中下車
切符の終点までいかず、途中で降りること
内方乗車の例
例えば、大阪から名古屋行く切符を買うと、当然ながら大阪から乗って名古屋で降りることになりますよね。
しかし、車で送迎されたり別の私鉄で行くなどして大阪駅からではなく途中の京都駅から乗車した場合。
このケースが、内方乗車に当てはまります。
この場合、大阪～京都間の運賃の払い戻しは出来ませんが、乗車自体は可能です。
内方乗車に関しては、JR切符のルールである「旅客営業規則」の148条3号にもしっかりと記載があります。
第148条
乗車券類は、次の各号に掲げる場合は、前条の規定にかかわらず、使用することができる。
（1）特別車両定期乗車券を使用して普通列車の特別車両以外の座席車に乗車する場合又は自由席特別車両券(A)を使用して普通列車の自由席特別車両に乗車する場合
（2）大人用の乗車券類を小児が使用して乗車する場合
（3）乗車券類の券面に表示された発着区間内の途中駅から乗車する場合出典：https://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/assets/pdf/stipulation/2020/covenant2-04.pdf
ところが…
この内方乗車、エドモンソン式乗車券（小さい近距離用切符）でやろうとすると、自動改札に弾かれてしまうのです。
これは、切符券面に経由地が書いておらず、自動改札ではその判断をしかねるというのが理由のようです。
先程の規則では「乗車券類の券面に表示された発着区間内」とあり、エドモンソン式乗車券は「発駅から乗車料金区間」という表示の仕方をしていることから、厳密には券面に着区間が表示されていないことになります。
ただ、「乗車券の様式が違うことで規則が適用されないのはおかしい」という意見もあることから、実際有人改札で通せるのかどうかは微妙なところです。（何故そんな事をするのか理由を聞かれるとは思いますが）
一方で、経由地の記載があるマルス券（大きいタイプの切符）については、自動改札で内方乗車が可能でした。
内方乗車は公式用語っぽい
それにしてもこの「内方乗車」という言葉、JRの公式サイトにも記載があり、公式で通じる用語のようです。
これはちょっと意外でした…。
内方乗車券面区間内の途中駅（発駅および着駅以外の駅）から使用を開始することをいいます。
出典：https://www.jr-odekake.net/shohindb/ticket/explain/rule.html
内方乗車が出来ないケース
普通のきっぷの場合は特に問題にならないのですが、1ヶ月前・14日前などから予約するような各種「早得切符」や、「ぷらっとこだま」などの企画乗車券の場合、若干問題が出てきます。
ぷらっとこだまの場合
有名な企画乗車券「ぷらっとこだま」では、内方乗車が許可されていません。途中下車も不可能です。
例えば新大阪から東京までの「ぷらっとこだま」を利用しているにも関わらず名古屋で下車した場合は、新大阪～名古屋間の新幹線切符を最初から買い直す必要があります。
【募】内方乗車って短距離切符では無理？
— Osaka-Subway.com/鉄道プレス (@OsakaSubwaycom) May 28, 2021
思わぬデメリットも
特急電車（指定席）で内方乗車を行う場合、発駅時点で乗客がいないと車掌さんが「この座席はキャンセルされた」と判断し、別のお客さんへ切符を発券することが出来るようです。
これは旅客規則にもあります。
第173条 指定席特急券（未指定特急券を除く。）は、これを所持する旅客が、その指定の乗車駅で乗車しない場合は、他の旅客にその座席又は旅客車を指定して急行券の発売をすることがある。この場合、指定駅で乗車しなかつた旅客は、当該急行券に指定された座席を請求し、又は旅客車に乗車することができない。
出典：https://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/assets/pdf/stipulation/2020/covenant2-04.pdf
内方乗車は普通電車や自由席車両のみでやるのが良さそうです。
関連リンク
【超優遇】ぷらっとこだま、今日から前日17時までのネット申込が可能に！ #ﾔｯﾊﾟｼﾝｶﾝｾﾝﾀﾞｯﾀﾝｼﾞｬﾅｲｽｶﾈｰ
【東海道新幹線】「ぷらっとのぞみ」、今日から運行開始。 #ﾔｯﾊﾟｼﾝｶﾝｾﾝﾀﾞｯﾀﾝｼﾞｬﾅｲｽｶﾈｰ
