JR西日本は、ICOCAサービスエリアにおける普通回数券を全て廃止すると発表しました。
ICOCAサービスエリアにおいては、ICOCAポイントサービスの還元率を10%から15%へと拡大するとアナウンスしており、事実上回数券の代替サービスとなりそうです。
ICOCA エリア内の「普通回数乗車券」の発売終了
(1) 発売終了エリア
JR西日本の ICOCA ポイントサービス対象エリアの駅相互間
※普通回数乗車券の発売終了エリア内の駅相互間でも、身体障害者用、知的障害者用及び通学用
の割引普通回数乗車券は発売を継続します。
※新幹線経由やJR他社とまたがる区間の普通回数乗車券は発売を継続します。
※今後、JR西日本の ICOCA エリアが拡大される場合は、当該エリアの普通回数乗車券の発売を
終了します。(2) 発売終了日等
2021 年9月 30 日(木)の営業終了まで
※発売した普通回数乗車券は有効期間(発売日から3ヶ月間)満了までご利用いただけます。出典:https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210331_02_icoca.pdf
発売のリミットは今年の9月末まで、使用のリミットは今年の12月30日までとなります。
つまり、金券ショップで回数券が売られているのを見れるのも、12月までということになるでしょう。
2018年まで販売していた「昼得きっぷ」の販売をやめて以降、再び乗車券施策にメスを入れた形となります。
しかし
プレスリリースでは、ICOCAポイントが代替サービスであるかのように謳っていますが、これは実質的なサービス改悪になります。
「回数券廃止でその代替がICOCAポイントって、代替になってないどころかサービス改悪でしかないと思うんですよ。」
これってトリビアになりませんか? よろしくお願いします。
↓このトリビアの種、つまりこういうことになります↓
↓それでは、こちらが確認の記事です。↓
改悪ポイント1:期間が短い
回数券は購入から3ヶ月乗車出来ますが、ICOCAポイントは「1ヶ月のうちに11回乗車しないと」割引(還元)が適用されません。
改悪ポイント2:ポイント取得条件が限定的過ぎる
ICOCAポイントの取得には、以下の難解な条件が必要です。
・同一区間を10回以上乗った時に
・11回目利用時からの「運賃」に対して15%分のポイントをつける
・しかもポイント取得の期限は1ヶ月(先述)
と、回数券時代よりもあからさまなサービス改悪となっています。
改悪ポイント3:そこまで安くない
京都~木津(590円)を例に取ってみましょう。
回数券の場合は、11回利用できる権利が10回の値段で売られているので、購入金額は5,900円、実質利用額は6,490円です。11回目の利用額に対して100%(590円)が割り引かれます。
ICOCAポイントの場合は、11回目の利用額に対して15%のポイント(割引)がつくので、
590 x 0.15(15%) = 88.5円
で、割引額は僅か88.5円(89円)となります。
あれ…?回数券よりだいぶ高くなってるぞ…?
裏技
一方、今回の回数券取り扱い終了のリリースには、こんな文言も掲載されています。
※新幹線経由やJR他社とまたがる区間の普通回数乗車券は発売を継続します。
つまり、ICOCAエリアであっても新幹線と並行する姫路~新大阪間や、他社との分界点である彦根~米原~醒ヶ井のような区間では引き続き回数券を購入できるようです。
また、同日には東海道新幹線においても新幹線回数券の発売を終了すると発表。こちらは来年の2022年3月31日発売分が最終となります。
関連リンク
参考文献
JR西日本『ICOCAポイントサービスの拡充及びICOCAエリア内の「普通回数乗車券」の発売終了について 』