JR東海は、現在開発中の新型通勤電車「315系」の車内デザインと設備を公開しました。
デザインコンセプトは、「優しく安心感のある快適な移動空間」。バリアフリー設備の充実や、車内空間快適性の向上、JR東海らしいベーシックな仕上がりになっています。
車内のデザイン
・全車両に車椅子スペース、全編成に車椅子対応トイレを設置。
・車両床面の高さを低くし、乗降口の車両端部をホーム側に傾斜することで、車両とホームの段差を縮小。
・フルカラー液晶ディスプレイの車内表示器を設置(1両あたり6ヶ所)
・天井高を広く採り、床面の色を中から外に向かって色を濃くするグラデーションに。
・赤外線や紫外線を99%カットする遮熱・遮光ガラスを導入。カーテンレスに。
・冷房能力を約30%向上(211系比で)
・AIによる自動学習・制御最適化機能を国内初導入。走行している315系全車両の温度・湿度・乗車率等の車上データを地上のサーバへ送信し、サーバ内のAIにより最適化した冷房制御を実現します。
・冷房装置の動作状態を車両から車両基地等へ常時送信。故障の予兆段階で迅速なメンテナンスを行うことで、未然に故障を防止。
・一人あたりの座席幅を1cm拡大して46cmに(211系比)、また腰への負担が少ない理想的な姿勢をサポートする座席形状へ変更。
・透明ガラスを上部に採用した大型袖仕切りを座席端部に設置。
注目ポイント
趣味的見地から見た特徴としては、
・トイレ導入
・フルカラー液晶ディスプレイの導入(1両あたり6ヶ所)
・カーテンレス化
が大きなポイントでしょうか。トイレ導入は以前静岡地区への導入の際に明らかになっていましたが、名古屋地区への315系についても明言された格好です。
また、このリリース画像を見る限りはロングシートになっていますが、現在クロスシートが中心の名古屋地区へもこの状態のまま導入されるのでしょうか…?
技術的見地からは、「走行している315系全車両の温度・湿度・乗車率等の車上データを地上のサーバへ送信し、サーバ内のAIにより最適化した冷房制御を実現」というのが目を引くポイント。こりゃすごい…
これまでわかっていること
・2020年度から開発中
・全65編成を導入。全車日本車輌製。
(導入年次)
2022年3月期 56両(7編成)
2023年3月期 56両(8編成)
2024年3月期 120両(20編成)
2025年3月期 64両(16編成)
2026年3月期 56両(14編成)
・名古屋地区へ2021年度から投入予定。
・静岡地区へは2024年度から投入予定、トイレ付き
・その他、中央本線や関西本線へも導入予定(時期未定)
・現在試験中の「ひだ」用HC85系と同じ台車構造を採用
・最高速度は130km/h(313系も同じなので、将来的にはスピードアップ化を狙う?)
・非常走行用蓄電装置の採用(非常時に停止するのでなく、最寄り駅まで走行が可能)
・モーター駆動の電力変換装置にSiC素子を導入、211系と比較して35%省エネに
・室内灯、及び前照灯(ヘッドライト)にはLEDを採用
関連リンク
参考文献
東海旅客鉄道「在来線通勤型電車「315系」 インテリアデザイン・車内設備について」