大阪モノレールは、現在門真市までの路線を瓜生堂まで延伸計画を立て、工事を開始しています。
瓜生堂では近鉄奈良線が新たに駅を作る計画で、近鉄~大阪空港への連絡鉄道として機能することが期待されます。
実はこのモノレール計画ができる以前から、大阪空港連絡鉄道構想という路線構想があったことをご存知でしょうか。
今日は幻の空港連絡鉄道計画をご紹介します。
大阪都市圏環状鉄道計画
出典:「大阪府 大阪都市圏環状高速鉄道について」日本交通技術株式会社、昭和44年3月
上図を見ていると、モノレールというよりかは一般鉄道の装いです。左側には4車線道路(高速?)と3車線道路が見えます。
この高架鉄道の構想は、以下のような基本方針が示されていました。
a.出来る限り中央環状道路敷を利用することとした
b.設計の都合上インターチェンヂ個所、河川道路の横断個所で既に道路工事施工中の区域については道路敷外に迂回することにした
c.道路敷を利用する場合は地下式とし道路敷外は高架式を原則とした
d.折返し駅は岸和田、池田とし追越し駅は松原、東大阪、高槻とした
出典:「大阪府 大阪都市環状高速鉄道について」日本交通技術株式会社、昭和44年3月
ここからは私もうろ覚えなのですが、確かこの路線には当時の近鉄・佐伯社長が「久宝寺あたりから接続して自社車両を乗入れさせたい…」といっていた話を耳にしたことがあります。
Wikipediaにもこのような記載があり、大阪モノレールの本に載っているらしいのですが…今現在図書館があいていないので見れずじまい。また分かり次第ここに追記しますね。
路線図
利用者の想定は松原-池田間で28,000人、岸和田-松原間で13,000人を見込み、20年で1.5倍以上に増えるとの試算が出ていました。また、普通列車の他に急行列車の設定やそれに伴う中間追い越し駅も計画されていたようです。
松原駅には待避設備と折返し設備を、東大阪・高槻駅には待避駅を設置するとしていました。
この構想が計画されたのは昭和40年ですが、これを踏襲した大阪モノレールはまだ全通までは至っておらず、ようやく瓜生堂への延伸(おおよそ上図でいう東大阪あたり)までが動き出したところです。
もしもっとスピーディーに、そしてヘビーレール路線として開業していたなら…大阪の街並みは、また変わった形になっていたのかもしれません。
関連ツイート
大阪モノレールの素案は「大阪都市圏環状高速鉄道」という池田~松原~岸和田のプランからスタートするのですが、瓜生堂まで伸びることでようやく「環状」っぽくなってきましたね
— Osaka-Subway.com/鉄道プレス (@OsakaSubwaycom) March 19, 2019