2029年に開業を予定している、大阪モノレールの門真市〜瓜生堂延伸工事が現在進行中です。
いよいよ橋脚やレールが姿を見せ始めており、あと数年で出来るんだなぁと実感します…
今日は大阪モノレールの工事状況と、延伸の基本的なおさらいをお伝えしていきます。
全線のマップとルート
冒頭でも書きましたが、大阪モノレール延伸線は2029年に現在の門真市駅から南へ伸び、瓜生堂駅までを繋ぐ全長8.9kmの新路線です。
基本的には大阪中央環状線・近畿自動車道と並走する路線ですが、東大阪市役所のある荒本付近だけは東へ迂回することになります。
路線図にするとこんな感じ。
便宜上、既に通っている鉄道駅や交差点名から駅名を付けていますが、ここで記載している駅名は仮称であり、正式な駅名ではありません。
ここに挙げた各駅の工事状況を、順に見ていきましょう
松生町駅
門真市駅周辺はまだ何も手を付けていない状態だったので、1つ南の松生町駅へやってきました。
この駅へは、2023年春に「ららぽーと門真」が開業しましたが、駅自体はまだ何も手つかずの状態です。
松生町駅の完成イメージ。駅は島式100mのホームで、駅舎全体の幅員は18.8mとなります。
ららぽーと門真とはペデストリアンデッキで接続します。
門真南駅
松生町駅の次駅である門真南駅。ここもまだ駅は何も手つかずでした。
完成イメージはこんな感じ。高速道路のジャンクション下に設けられます。ちょっと難工事になりそうですね…
2023年に公開された最新のイメージではこんな感じ。地上2階建て構造の駅舎となります。
黄緑色の長堀鶴見緑地線と接続するからか、駅舎に黄緑色が取り入れられています。
門真南駅は近畿自動車道からほんの少し東側に逸れ、大阪メトロ長堀鶴見緑地線と接続します。
門真南~鴻池新田
門真南駅自体は何も音沙汰がなかったものの、門真南~鴻池新田間では工事が相当に進んでいます。
特に門真市桑才町付近(桑才新町工区)では、今回の大阪モノレール延伸線で最も早く線路が架けられました!
やっぱり線路が架かると良いですね。具体的にモノレールが走る!と想像が膨らんできます。
軌道部分を拡大。線路や道路のように底面がない、縦長なコンクリートが2本並ぶ姿はあまり見られないかも。
工事看板も「鋼軌道桁(=レールの土台)」となっていました。合ってるんですけどわかりづらい…
先程の写真の完成図が描かれていました。工事中なのに3000形車両が走っていてちょっとシュールです(笑)
もう少し南に進み、大東鶴見IC付近へやってきました。こちらもボーリング工事が始まっています。
鴻池新田駅
次に動きがあったのが、次の鴻池新田駅付近。
既に橋脚が何本も立っていて、モノレールが出来る感がムンムンしています。
鴻池新田駅のイメージパース。駅前には小さいロータリーが設置されるようです。
2023年公開の最新パースではこんな感じ。地上3階建て構造で、駅舎の色は紺色となっています。
駅は学研都市線との交点の南側に出来る予定です。
城東工科高校目の前に作られることになりますが、その城東工科高校は布施工科高校と統合して閉校予定となっています…残念…
橋脚は駅手前まで進んでいるものの、駅自体はまだ何もありませんでした。
全体的に駅は後回しなんでしょうか…
荒本駅
荒本駅のイメージパース。東大阪市役所・大阪府立中央図書館とペデストリアンデッキで接続されるようですね。
最新パースではこんな感じ。
地上3階建て構造で、上半部がアイボリー、下半部が茶色系統の色合いになっています。
鴻池新田~荒本間は、一旦モノレールが近畿自動車道から外れて大きく東へ逸れますが、この区間でも工事がスタートしています。
この区間では、あらかじめ開けてあった広大な土地をくまなく利用しています。
それにしてもモノレールだけでは明らかに土地が余りますが、他にも何かに使うのでしょうか…?
右手に見えるのは大阪府営東大阪春宮住宅です。ここだけ妙に近未来的ですね…
ここも他と同じで、荒本駅は何も手つかずの更地状態でした。
元々イオン東大阪店があった土地ですが、モノレール建設に当たって取り壊されたということは定期借地権での契約だったんでしょうか。
定期借地権とは
「何年経ったら土地の持ち主に返す」という時限で土地の地主と借主が契約する方式。
今回のような「将来的に開発する気では居るけど、それまでの土地を遊ばせるのは嫌なので何かに使って欲しい」という状態の土地に最適な契約です。
駅から出ると、再び近畿自動車道と合流して南へ向かいます。後ろに見える高いビルは東大阪市役所です。
瓜生堂駅
終点となる瓜生堂駅にやってきました。ここでは近鉄奈良線と交差することになります。
瓜生堂駅のイメージパース。他の駅よりもやや大きく寸法が採られているように見えますね…?
駅はちょうど近鉄奈良線との交点に出来る予定で、近鉄側も駅の設置を検討しています。
瓜生堂も駅は手つかずですが、駅間工事は順調に進んでいるようです。
南側のターミナルとなることもあり、駅設置部分には「2029年に開業予定」のパネルが掲示されていました。
車両はしっかり最新式の3000系になってますね
瓜生堂車両基地
また終点となる瓜生堂では、駅北側に車両基地を設置します。
長さ750m、幅25mの細長い車両基地で、列車検査場・留置線・事務所が設置されます。
イメージリリースを見る限りでは、4両編成の車両を6本程度留置出来るような構造に見えます。
現在大阪モノレールでは万博記念公園車両基地で全ての保守業務を賄っていますが、延伸工事で2ヶ所となる予定です。
現在は事務所棟の建設工事もあわせて始まっています。
工区一覧
・松生町工区(森本組・新土木開発コンサルタントJV)
・桑才新町工区(奥村組土木興業(株)
・B957工区(川田工業(株)大阪支社)
・B968工区(瀧上工業(株)大阪支店)
・茨田大宮工区(大日本土木・全日本コンサルタントJV)
・安田工区その2(株)ハンシン建設)
・北鴻池町工区(株)五大コーポレーション大阪支店)
・西鴻池町工区(中林建設(株))
・三島工区その1(株)森組大阪支店)
・三島工区その2(東洋建設・修成建設コンサルタントJV)
・本庄西工区その1((株)岸本建設大阪営業所)
・本庄西工区その2(ヤマト工業(株))
・西岩田工区(青木あすなろ・協和異業種間特定JV)
・瓜生堂車両基地整備工事(大阪モノレール(株))
関連リンク
参考文献
- 大阪府「大阪モノレールの延伸について」
- 大阪府「大阪モノレール延伸事業(門真市駅~瓜生堂駅 )」
- オンラインセミナー「千里ニュータウンと交通」第3回「大阪モノレールと 31 年」
- 透明人間あっとまーくさんのツイート
- 大阪モノレール「延伸プロジェクト 大阪のまちをつなぐ、広げる、つくる。」