JR各社(北海道・東日本・東海・西日本)は、これまで設定されていた新幹線と在来線特急電車の乗り継ぎ割引を2024年3月16日から廃止すると発表しました。
ちなみにJR四国やJR九州は先行的にこれらの割引を廃止していて、今回は残る4社がそれに続いた形となります。
乗り継ぎ割引とは
新幹線と在来線特急とを乗り継ぐ際、在来線特急の特急料金を半額にする制度(東京・品川は対象外)
国鉄時代に東海道新幹線が開業した際から設定されていました。
例えば、神戸から新大阪まで新幹線に乗車後、「サンダーバード」へ乗り換えて福井まで行くとすると、このうちサンダーバードの特急料金(指定席で2,730円なのでこの場合だと1,360円)が割引されます、
今回の制度変更で、60年続いた運賃制度に一つの区切りをつけることとなります。
JR東海
今回、最も影響が大きいと思われるのがJR東海です。
東海道新幹線は、新大阪・名古屋はもちろん、静岡や横浜まで日本の主要都市と密接にリンクしていて、最もニーズが高い路線です。
【乗換対象駅】
・新大阪(こうのとりなど)
・京都(サンダーバード・はるかなど)
・米原(しらさぎ)
・名古屋~新横浜(ひだ、はまかいじなど)
ちなみにリリースでは、JR他社には無い「EXサービスのニーズが高まっている」ことを理由としていますが、公式のTwitterの反応を見ていると「屁理屈が不快」「結局値上げ」など、この文面に反感を買う結果となっています。
JR西日本
続いてJR西日本。
こちらは制度廃止の理由について「コロナ禍後のお客さまのご利用状況の変化やデジタル化の進展等の社会変容を踏まえ」としています。
【乗換対象駅】
・相生~米原(山陽新幹線)
・金沢(北陸新幹線)
・大阪(在来線特急)
・津幡(在来線特急)
JR東日本
JR東日本では
新幹線ネットワークの拡大や、インターネット販売等の拡充による販売環境の変化により、お客さまのご利用方法が変化しています。新幹線と在来線特急列車を乗り継いだ場合に在来線特急料金等が半額となる「乗継割引」についても、ご利用するお客さまが減少していることを踏まえ、このたび取扱いを終了します
出典:東日本旅客鉄道 3)
としています。意外にも乗り継ぎ割引ユーザーが減っているのですね…!
【乗換対象駅】
・新青森(東北新幹線)
・長岡、新潟(上越新幹線)
・長野、直江津(北陸新幹線)
JR東日本では東海・西日本と違って詳細な日程発表はなく、「2024年春から」としています。
JR北海道
JR北海道では「お客様のご利用状況や弊社を取り巻く経営環境の変化」としています。間接的に経営が厳しいことを匂わせる文章ですね…
【乗換対象駅】
・新青森、新函館北斗(北海道新幹線)
新函館北斗からの特急に乗り換えて、札幌方面へ抜ける乗客に大きな影響が出そうですね。
JR北海道も東日本と同じく詳細な日程発表はなく、「2024年春から」としています。
関連リンク
参考文献
- 東海旅客鉄道「新幹線と在来線特急列車の「乗継割引」の取扱い終了について」
- 西日本旅客鉄道「新幹線と在来線特急列車の「乗継割引」の取扱い終了について」
- 東日本旅客鉄道「新幹線と在来線特急列車の「乗継割引」の取扱い終了について」
- 北海道旅客鉄道「乗継割制度の廃止について」