【ぐったり?】キハ187系「スーパーまつかぜ」に乗ってきた

【ぐったり?】キハ187系「スーパーまつかぜ」に乗ってきた

前回の<やくも28号>の帰り道、キハ187系の<スーパーまつかぜ>にも乗車してきました。

381系と違ってこちらはまだまだ安泰ですが、せっかく米子まで来たので違う特急を…と思い、復路の<やくも>をスルーしてキハ187系へ乗り込むことにしました。

 

キハ187系について

キハ187系は、2001年に登場した鮮やかな黄色が特徴の気動車特急です。

JR四国2000系の系譜を受け継ぐ「気動車特急+振り子+ステンレス車体」という構造で、120km/hを出し山陰や中国地方を駆け巡っています。

旧態依然とした<やくも>を見てもわかるようにあまり新車を導入しないJR西日本ですが、キハ187系は特例的に導入された稀有な存在です。これは鳥取県と島根県が山陰線高速化を名目に費用を援助した背景があります。

似た仕様であるHOT7000形<スーパーはくと>や四国2000系<南風>は乗車したことがあったので、<やくも>の時と違いこちらはさほど身構えず、ふらっと乗車してきました。

 

やってきた2両の特急

米子駅に入ってきたのは、18時51分発の<スーパーまつかぜ9号>です。夏と言えど流石にこの時間になると日も落ちて暗くなりますが、対照的にキハ187系の黄色が目立っています。

この日最後の<スーパーまつかぜ>は鳥取駅を17時39分に発車した後、米子駅・松江駅・出雲市駅を経由し、終点の益田駅には21時24分に到着するというロングランな運用です。この列車のみ、西出雲駅にも停車します。

側面LED表示機にはJR西日本標準の行先表示と、スクロール式の種別表示器がセットになっていました。

LEDが普及してもJR西日本の特急車両には種別が方向幕になっている列車が多く見られますが、キハ187系に関しては合理さを重視したのか早くからどちらもLEDとなっているようです。

到着後、早速車内へ乗り込みます。列車は2両編成で前(1号車)が指定席、後ろ(2号車)が自由席とシンプルな席割。

車内は<ゆったりやくも>と異なり暖色系の色使い。ただ登場して20年が経過することもあり、座席はややくたびれていました。山陰の拠点都市を結び、また夕方のラッシュ時にあわせたダイヤということもあってか比較的多くの乗客がみられました。

鳥取→米子間を行き来する方が多い一方で、乗客流動が入れ替わり米子駅からも多くの方が乗車してきました。乗車率は6-70%程度で、まずまずといったところです。

座席から米子駅を撮影。このアングルで撮影するとなんとなく旅情が出て、まるで鉄道ジャーナル誌に載せられている写真のようになって良い雰囲気が出ました。

それにしても空調が悪い(暑い)。もう少し効かせてくれても良さそうなものですが、発電機(軽油)がもったいないからなのか、それとも長距離を通しで乗車する乗客向けに抑えているのか…

列車が動きだしたので、車内の様子を見てみます。

デッキ部分はJR西日本標準の化粧板といった趣きで、681系や283系と同じ色使いでした。乗降扉は幅広式の1枚ドアで、プラグ式ではなく通常の扉が使用されています。

トイレの様子。<やくも>と異なり真空式の処理機構となっています。20年の経年は感じますが、やはり基本設計が新しいからか比較的綺麗です。

ただ、何故かハムスターの匂いがするのは腑に落ちないところでした。なぜ…?

米子を出て次の駅、安来(やすぎ)駅に到着。勘違いしていたんですが米子駅は鳥取県で、この安来駅からが島根県なのだそうです…。

この先の揖屋(いや)駅で<やくも>と交換するのですが、往路の時と違い到着後あちらもすぐ到着し、すぐに発車していきました。前回はたまたま接続が悪いダイヤだったのでしょうか…。

それにしてもキハ187系、振り子を駆使して飛ばす飛ばす。デッキでは立っていられませんでした。この辺は振り子特急の真髄ですね。

ただ、直線では定点にピタっと止まるというのか、安定感があります安来駅を出てしばらくして座席に戻ったのですが、重心がしっかりしていて酔うことはありませんでした。「やくもとはまた違った揺れ方だな」というのを、体で感じていました。

 

帰ってきた松江

時刻表通り、19時14分に島根県の県庁所在地である松江に到着。

単線にも関わらず<スーパーまつかぜ>・<スーパーおき>・<やくも>をはじめとした多数の列車が行き来しているのが非常に印象的でした。そして…

このもう少し後である19時24分に、東京行きの<サンライズ出雲号>もやってきていました。現在日本に残る最後の寝台特急電車で、山陰地方から東京へ直通する唯一の列車です。

大阪にも到着するのですが、いかんせん着時刻が0時33分ということもあって少し使いづらい存在です。

 

結論

ということで、「キハ187系はぐったりしなかった」が今回の記事の結論です。制御付自然振り子が効いてるのか、それとも車両設計が新しいメリットを享受している…のかは定かではありませんが、ここまで差があるのは少し予想外でした。

前回で書かなかったことに直線での浮動感があり/なしがあります。381系は直線でもふわふわしたような感覚がありますが、キハ187系は883系<ソニック>などと同じく、どっしり安定感のある感じがありました。

このあたりの差が、ぐったりする/しないの差として生まれているのかもしれませんね。

 

関連リンク

【ぐったりなのか?】381系「やくも」に乗ってきた

【新説】振り子電車が酔うのは「低周波数の振動説」




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