2018年1月31日、南海電気鉄道株式会社は「2018年3月期 第三四半期(3Q)決算」(4月1日~12月31日の営業成績)を発表しました。
※…Qは「クォーター」の意
グループ全体
売上高(営業収益):1639億7200万円(-0.9%)
営業利益:257億8800万円(-2.5%)
経常利益:227億3700万円(-1.6%)
売上高は前年度比(2016年3Q)で0.9%減の1639億7200万円、営業利益は前年度比2.5%減の257億8800万円となり、ほぼ横ばいとなっています。
南海電気鉄道グループの主要事業と売上構成比は、2017年度末時点で運輸業(38.8%)、不動産業(13.2%)、流通業(13.9%)、レジャー・サービス業(15.4%)、建設業(17.7%)と、不動産業メインが多い昨今の鉄道企業としては珍しく、鉄道などの運輸業が主軸となっています。
運輸業
運輸業全体については売上高が754億4700万円(前年度比+1.6%)と増加したものの、儲けを表す営業利益は120億7300万円(前年度比-9.0%)と増収減益でした。
インバウンド需要による関西空港へのアクセス増加が寄与したものの、人件費や新車製造などの減価償却費増加で、減益となっています。
建設業
建設業の3Qは売上高が299億7200万円(前年度比-7.1%)、儲けを表す営業利益は15億400万円(前年度比+9.6%)と減収増益でした。
南海電鉄において、鉄道輸送の次にシェアを取っているのが建設業。南海辰村建設など著名企業がここに入ります。
建設業については、現在南海会館ビルの建設が進んでおり、2018年9月の竣工が見込まれています。
流通業
流通業については、3Q売上高が269億6700万円(前年度比-0.2%)、営業利益は31億8100万円(前年度比+11.0%)と大幅な増益でした。
また泉大津・住之江に新しく開業した「N.KLASS」の賃料収入が大きく下支えし、営業利益は微増となりました。
大阪市営地下鉄の駅売店(ekimo事業)を手がけているのはこの部門です。
流通業部門には、大阪市営地下鉄の駅構内に展開する「ekimo」事業の他、なんばパークスやなんば・いずみおおつCITY、アンスリーなどが含まれます。
レジャー・サービス業
レジャー・サービス業については、3Q売上高が278億9400万円(前年度比+0.1%)、儲けを表す営業利益は15億400万円(前年度比+9.6%)と増収増益をみせました。
レジャー・サービス業には「みさき公園」などの遊園業や、住之江競艇場、葬祭事業などが含まれます。3Qは特に葬祭事業が好調のようです。
関連リンク
参考資料
南海電気鉄道『平成30年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)』
http://www.nankai.co.jp/library/ir/tanshin/pdf/180131.pdf