2018年2月7日、京阪ホールディングス株式会社は「2018年3月期 第三四半期(3Q)決算」(4月1日~12月31日の営業成績)を発表しました。
※…Qは「クォーター」の意
ホールディングス全体
売上高(営業収益) | 営業利益 | 経常利益 | |
2017.3Q | 2122億9300万円 | 257億7000万円 | 244億8400万円 |
2018.3Q | 2229億9300万円(+5.0) | 244億9600万円(△4.9) | 232億8700万円(△4.9) |
京阪ホールディングスの主要事業は、鉄道などの「運輸業」、マンション販売・ビル経営などの「不動産業」、百貨店などの「流通業」の3事業となっている他、レジャー業なども行われています。売上高は前年度比で5.0%増の2229億9300万円、営業利益は前年度(2017年3Q)比4.9%減の244億9600万円と増収減益となっています。
今回は、その中でも主要3事業について取り上げます。
運輸業:プレミアムカーは好調なのに何故?
営業収益(売上高) | 営業利益 | 前年度比 | |
2017年3Q | 714億1500万円 | 96億600万円 | △5.6% |
2018年3Q | 699億4100万円 | 90億6500万円 | △2.1% |
運輸業については減収減益。定期旅客数の増加や伏見稲荷への観光者数が増加したことや、話題になったプレミアムカーをスタートさせたことで、運輸業そのものは堅調に推移しています。
しかしながら、運輸業セグメントに含まれている(京阪宇治交バスがスタートさせた為、運輸事業として計上)、介護事業の「京阪ライフサポート社」を関西電力に売却した事が、減収要因となっている模様です。
運輸業の今後に関しては、来期(2018年5月~)に枚方市駅の無印良品が参画したリニューアルが計画されています。さらに子会社の叡山電鉄に奇抜な観光列車が登場します。
不動産業:好調
出典:長谷工アーベスト『ファインシティ王子神谷 公式サイト』(2017年11月14日参照)
営業収益(売上高) | 営業利益 | 前年度比 | |
2017年3Q | 534億8300万円 | 89億5200万円 | +19.8% |
2018年3Q | 640億8200万円 | 93億4600万円 | +4.4% |
不動産業については、大幅な増収減益となっています。
不動産販売業においては住宅地「京阪東ローズタウン」、「ローズプレイス瀬田唐橋」、分譲マンション「ザ・レジデンス東三国」「キセラ川西オリヴィエ」を販売したほか、首都圏においても積極的な事業展開に努め、「ファインシティ王子神谷リバー&フォレスト」「ザ・ファイン築地レジデンス」などを販売しています。
不動産賃貸業においては「JCB札幌東ビル」や賃貸ビルを買収して「京阪横浜ビル」として賃貸開始、既存ビルについても稼働率向上に努めました。
これらの営業努力の結果が実を結び、前年度に引き続き増収を維持しています。
流通業:横ばい
営業収益(売上高) | 営業利益 | 前年度比 | |
2017年3Q | 741億6800万円 | 20億9000万円 | +0.4% |
2018年3Q | 759億6900万円 | 21億2000万円 | +1.4% |
流通業については営業収益・営業利益共に横ばいとなっています。サービスとしては京阪百貨店、京阪モール、フレスト、Sweets boxがここにあたります。
2Q時の内訳としては、百貨店事業が3億800万円の赤字、フレストなどのストア事業が4億3900万円の黒字、ショッピングモール経営が8億5700万円の黒字となっています。
ショッピングモール経営については、「京阪モール」のリニューアル効果で好調に推移した他、2017年4月14日に京都タワーに開業した「KYOTO TOWER SANDO(京都タワー サンド)」効果も含まれているようです。
ストア業については、「ユニクロ関西空港出国エリア店」がインバウンド需要を取り込んで好調に推移した他、2017年度に開業した「フレスト長尾店」「MUJIcom クリスタ長堀店」「SWEETS BOXシャポー船橋店」を展開するなど、投資のフェーズにあるといえます。
関連リンク
参考資料
京阪ホールディングス『2018年3月期 第3四半期 決算短信』<https://www.keihan-holdings.co.jp/ir/upload/2018-02-07_3Q-kessan.pdf>