東急不動産ホールディングスが所有している子会社東急ハンズを、埼玉県に本拠地を置くホームセンターのカインズが買収すると発表しました。
発行済株式の全て、および東急不動産ホールディングスが同社に貸し付けている債権全てをカインズが引き受けることになります。
東急ハンズは1976年に登場。元西武系の「Loft」と共に付加価値の高い小売業を展開してきました。
大阪には1983年の江坂に出店後、百貨店・SCのテナントとして心斎橋・梅田(いずれも大丸)・阿倍野(東急不動産系のモール)へと展開し、現在4店舗を運営しています。
名前は?
今回の買収劇で気になるのは名前でしょう。
株式・借金共々カインズが引き受けることから東急グループから外れ、資本関係上東急とは関係がなくなります。
このことから「カインズハンズ」などの新名称が付与されるのか、カインズに一本化されるのか注目されていましたが、当面の間は「東急ハンズ」の屋号で営業を続ける見込みです。
ただ、かつてソニー系列であった「PLAZA(旧名称はソニープラザ)」もそうだったように、将来的に何らかの屋号変更が行われる可能性もあります。
よくない業績
かつてVerepoでもお伝えしたように、直近の東急ハンズの業績はあまり芳しいものではありませんでした。
売上高 | 当期純利益 | |
2018年度 | 973億6700万円 | +1億2000円 |
2019年度 | 965億2800万円 | ▲13億3400円 |
2020年度 | 631億1300万円 | ▲71億3600万円 |
過去3年との比較。2017年度決算では8億9200万円の赤字、最新の2020年度決算においては71億3600万円の赤字となっています。今年にはコロナの影響で池袋店など主力店舗の閉鎖がもありました。
今回の身売りには、こうした負債額の大きさも背景にあるものとみられます。
関連記事:【決算】東急ハンズ、2017年度は8億9200万円の純損失(赤字)を計上
関連リンク
参考文献
東急不動産ホールディングス『連結子会社の異動(株式譲渡)及び債権譲渡に関するお知らせ』