結論からいうと、1928年に朝日新聞大阪本社・東京本社につけられたのが初めてのものです。
世界初は1927年にニューヨーク・タイムズ社につけられたものですから、たった1年差で日本にやってきたことになります。
これは御大典(天皇陛下の即位の礼)を報道する為に取り付けられたものです。つまり、今年は電光掲示板設置から92周年!
この装置は?
海外から導入されたとされるこの装置の正体は、ロンドンにあるシンチレーシング・サイン社専売の「流動式電光ニュース速報装置」とされています。
装置が取り付けられたのは同時期ですが、実際に稼働したのは11月5日夜に大阪の朝日新聞本社で流されたものが日本で初となります。
高さ六尺、横幅四十尺の長方形の大枠に電球総数二千数百個を取り付けたもので、本社六階地上八十尺の高所にさんたる、六尺角の大文字が電子板の右から順々に流れ出る仕かけであります、
出典:東京朝日新聞「電光ニュース装置 本社屋上に完成」 昭和3年11月5日付
その仕組みは?
といっても、LSIとか制御装置もないこの時代に「いったいどうやってこの電光掲示板を光らせていたのか…?」と思ってたんですが、以下のサイトに記載がありました。
古典的な電光掲示のしくみ。スイッチに相当する2つの電極の間に、穴のあいた絶縁物を通す。穴のあいたところにくると電極が接触接触、通電して点灯させる組み合わせを、数多く用意した
出典:11月 6日 朝日新聞本社ビルに電光ニュース登場(1928年)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68130
また、当時を撮影した貴重な映画がYoutubeにアップされていました。
この映画を見ていると、シュンっシュンっ…とちょっとぎこちない動き方をしていますね。モーターで絶縁物をスクロールしていたからなのでしょうか。
鉄道へ応用
この電光掲示板装置は、後に鉄道へも応用されます。
出典:「日本国有鉄道百年史」9巻、1974年
朝日新聞に初めて取り付けられたその3年後の昭和6年に大阪駅へ初めて設置されました。
これは6Vの小型電球を、1文字あたり17×10~15に並べて光らせるというかなり大掛かりなものだったようです。
当然ながら、LEDやIC回路などがない昭和初期の時代にこれをやったことで回路が極めて複雑になり、工事費・保守費ともに嵩んだ…との記述があります。制御どうしてたんでしょうか…
尚、このタイプは後に名古屋・三ノ宮・神戸駅へも設置されました。
昭和モダンを謳歌する日本は、こんなにも先進的だったんですね。非常に驚きでした…。
関連リンク
参考文献
「日本国有鉄道百年史」9巻(p365)、11巻(541p)、14巻 (332p)
熊谷 爲夫「新大阪驛の照明設備に就いて」、1941年(きーぼー様より参考資料をご提示して頂きました。ありがとうございました!)