広島地区では新型車両227系の投入が続き、「國鐵廣島」と揶揄された時代からようやく脱そうとしていますが、その一方で弊害も出てきているようです
「JR山陽線の3両編成の電車が混み過ぎる。車両を増やせないのか」。広島市佐伯区の会社員女性(44)が無料通信アプリLINE(ライン)で編集局に声を寄せた。3両で走るのは新型の「227系」。JR西日本広島支社によると、新型を3両にした背景には、ある「見込み違い」があったという
広島支社運輸課の辻敏哉担当課長は「13年夏に広島への新型車投入を決めた当時は乗客数が現状維持で推移するとみて、山陽線も時間帯によっては3両で大丈夫と考えた」と説明する。
だがその後、乗客が増える誤算が起きた。インバウンド(訪日外国人客)が伸び、広島東洋カープの好調を受け観戦客のJR利用が増加。15年3月開業の新白島駅も1日の乗車人数が15年度7900人、16年度9698人、17年度1万1044人と年々増え、混雑に拍車を掛けた。
宮島帰りの観光客と下校の高校生が乗り合わせる夕方の電車では、3両だと乗り切れない人も見掛ける。高校1年女子(16)は「カープの試合がある日はあまりの混雑で2本見送ったこともある。車内で『痛い』『押すな』などと怒声が聞こえることもあり、怖い」とこぼす(中略)
編集局に届いた中には「JRに訴えても無反応だ」との意見もあった。ただ広島支社によると、駅員などに寄せられた声は支社や大阪の本社に伝えており、広島都市圏の混雑に関する苦情は幹部も認識しているという
出典:『3両電車、混み過ぎる 山陽線、カープ人気や外国人観光客増加』、中国新聞α、2019年3月16日
https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=513367&comment_sub_id=0&category_id=1060
同様のことは同じく521系を導入している北陸方面でも聞きますが、今回のように地域のローカル新聞で取り上げられたのは初めてでしょうか。
JRとしては、車両の投入は30~40年スパンを見据えた投資になるため、将来的に人口減少を見据えて減車して投入するのは理解できます。
しかし現状こういった現実があり、折しもインバウンド観光ビジネスが隆盛で今後も伸びていきそうな今、何も対策を取らずに乗客をぎゅうぎゅうにしてしまうと批判されても仕方ない節もあるのではないでしょうか。
227系投入後、2016年から広島東洋カープは3年連続リーグチャンピオンに輝いており、記事中ではカープの活躍も混雑の理由に挙げています。
3月のダイヤ改正も終わり、なんらの動きを見せるとすればもう来年まで動かせないと思われますが、果たして今回のこの報道を受けてもJR西日本は動かないでしょうか…?