「日立造船」という企業をご存知でしょうか。
その名前ながら、日立グループでも造船会社でもない企業として一部で有名です。
・日立製作所との資本関係がなくなった→なるほど
・造船事業も手放している→!?
・現在はゴミ焼却施設の建設が主体→!?!?!?wwWWww!?!?日立造船、社名変更を検討 三野禎男社長「誤解与える」https://t.co/OrYK6keRZr
— Osaka-Subway.com/鉄道プレス (@OsakaSubwaycom) December 29, 2022
以前話題になったときから気になっていたので、今回わざわざ行ってきました
主要事業を見てみると…
主な製造品目は
・ごみ焼却炉
・フラップゲート式可動防波堤
・橋
・シールド掘進機
・LaRWS工法用プラント
・水処理システム
で、全く造船の名前が出てきませんね。
元々は造船事業を経営していましたが、2002年の造船不況の際に造船事業を辞めた経緯があります。
日立製作所との関係
1881年(明治14年)にイギリス人の「エドワード・ハズレット・ハンター」氏が、桜島地区で「大阪鐵工所 (Osaka Iron Works) 」を興したのが、日立造船の始まりです。
大阪鐵工所は三菱・川崎に次ぐ規模の大きな造船所として成長しましたが、1934年に日本産業株式会社が、1936年に日本産業株式会社の子会社であった日立製作所が買収しました。
1943年、実態に合わせるために現在の社名である日立造船へ改名した経緯があります。
ところが終戦後、財閥解体の流れを受けて日立製作所系列から除外されたことで、日立でもなくなってしまいました。
社名変更を検討中
と、まさに「日立」でも「造船」でもなくなり社名と全く合致しなくなった日立造船。
社内でもこの問題は認識しているようで、2022年12月には社長が社名変更を検討していることを日本経済新聞のインタビューで答えており、数ヶ月~半年程度で結論を出す…と報じられていました。
2025年度までに変更することを発表していますが、現時点ではまだ何も発表がありません。
オーナミは子会社
大阪メトロの最新形式である400系車両は、山口県の日立製作所から一旦堺にあるオーナミへと船積みで輸送されますが、実はこのオーナミは日立造船の100%子会社なんです。
2016年に株式を取得し、子会社化しています。
現在日立製作所と日立造船に資本関係はありませんが、かつて同郷だったという関係からか、
日立製作所の電車が
▼
(日立造船子会社の)オーナミから
▼
(日立製作所子会社の)ロジスティード西日本のトラックで運ばれる
というややこしい図式になっています。
その他
本社は、大阪市住之江区のコスモスクエア地区に立地しています。
また、同敷地内には「A.I TEC (エイアイテック)」も2018年から立地。
こちらは先端の情報技術センターとして、ioT・ビッグデータ・AIなどの研究を行う施設だそうです。ますます造船関係ない…
ちなみにIoTでは本業のごみ焼却施設にリンクし、監視システムなどを構築する重要な部門なのだそうです。
謎深い日立造船、大阪にこんな企業があったとは私も知りませんでしたが、400系関係など地味に鉄道とも縁のある企業なのですね。
新しい社名は果たしてどんな名前になるのでしょうか。
関連リンク
参考文献
日本経済新聞「日立造船、社名変更を検討 社長「誤解与える」」