都電荒川線への謎の新愛称名として物議を醸した、「東京さくらトラム」。
南海のりんかんサンラインなどと同じく「定着しなかった愛称黒歴史リストにその名を連ねていくのでは…」と思われていましたが、早速そのカウントダウンが始まったのかもしれません。
10月1日付のプレスリリースで公式である東京都交通局自らが、これまで「東京さくらトラム(都電荒川線)」と書いていたものを「都電荒川線(東京さくらトラム)」と表記し始めました。
東京都交通局が運営する都電荒川線(愛称「東京さくらトラム」)が、このたび、「2020年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞いたしました。
東京さくらトラムとは
東京さくらトラムは、2017年4月からいきなり名付けられた都電荒川線の愛称名です。
登場当時は「沿線にさくらなんてない」「キラキラネーム」「ゴリ押しすんな」と各方面からボロカスに言われていましたが、現在も頑として東京さくらトラム呼びを続けています。
今回のプレスリリースはグッドデザイン賞関係の「ロングライフデザイン」と銘打っていることから、伝統的な名前である荒川線を今回に限って使用したのかもしれませんが、グッドデザイン賞側のページでは括弧書きでも「東京さくらトラム」の記載が一切なかったのが印象的でした。
鉄道愛称の黒歴史
実はこういう、鉄道の呼び方で定着しなかった黒歴史・死語は、過去にもありました。
E電
同じ関東だと「E電」が最たる代表でしょう。
JR東日本が名付けたこの名前は、かつて国鉄の近距離電車が「国電」と名付けられたことから「もう国鉄ではない」ことを理由に命名されました。「E」は、「East、Electric、Enjoy、Energyなどの意味が込められているそうです。
しかしこれが予想以上に普及せず、「JR」という言葉が現在国電と同等の意味となっています。
ただ、社内用語としては「E電方面指令」など現在も残っているそう。ちょっと驚きでした。
りんかんサンライン
愛称黒歴史の東が「E電」なら、西はこの「りんかんサンライン」でしょう。
1995年に当時の南海電鉄社長が命名したこの名前は「田舎臭いイメージを変えたい」との発言がきっかけで付けられたもですが、全くといっていいほど定着しませんでした。高野山にある真言宗からの反発も強かったそうです。
2008年頃から使用が取りやめられています。
ゆめはんな
りんかんサンライン程ではありませんが、「ゆめはんな」も定着しなかった愛称です。
2006年に、けいはんな線が新しく開業することで、中央線・近鉄東大阪線・近鉄けいはんな線の3線を直通することになることから、それらの統一愛称として募集されました。
しかし、建設中に近鉄は東大阪線を「けいはんな線」へ吸収統合することを発表。一応「ゆめはんな」も名付けられてはいますが、実質的には「けいはんな線」という呼称が支持されています。
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