現在、投入に向けて準備が進められている、京都市営地下鉄烏丸線久々の新車。
情報が初めて出たのは2019年ですが、断片的な情報が何度か出ただけで、あまり詳しい内容はわかっていません。
そこで!今出ている情報から読み取れる、現在わかっている情報をまとめてみました!
わかっていること
いつ導入?
2021年7月25日に01編成が搬入されました!
今後(11月以降?)試運転などを行った後、2022年3月26日のデビューを予定しています。
新車はその後も導入を続け、2022年度と2023年度に2本づつ、2025年度までに9編成が出揃う計画となっています。
・2021年7月に01編成が近畿車輛から搬入←今ここ
・2022年度中に01編成が運行開始
・2022年度(02・03編成)、2023年度(04・05編成)に2本づつ導入予定
・2025年度までに09編成まで投入(各年度2本?)
形式名は?
形式名は「20系」です。先代10系のナンバリングをそのまま受け継いだ形となっています。
編成名 | 基本編成 ←竹田 国際会館→ | 竣工日 メーカー | 備考 | |
---|---|---|---|---|
2131F | 2131 – 2231 – 2331 – 2631 – 2731 – 2831
| 2021.11 近畿車輛 |
車番下2桁には30番台が充てられていますが、これは近鉄車両とのナンバリングの被りを防ぐために振られています。
近鉄線内での電算記号は「KC」「KS」のどちらかが用いられているようです(現在調査中です)
車両のデザインは?
京都市交通局、およびJ-TREC(総合車両製作所)が出した3つのデザイン案から、投票によりB案「前面の造形に曲面を多用した,より近未来的なイメージのデザイン」に決定しました。
実車はこんな感じ。イメージよりも随分かっこよくなった印象ですね!
A・B・C案の得票数はそれぞれ次の通り。
A案:今の地下鉄車両のイメージを継承しつつ新しさを採り入れたデザイン
→822票(3位)
B案:前面の造形に曲面を多用した,より近未来的なイメージのデザイン
→1,318票(1位)
C案:京都市電を思い起こさせるデザイン
→982票(2位)
投票は北大路駅、烏丸御池駅、京都駅、山科駅、三条京阪駅で実施されました。
その他デザイン案
出典:京都市「新型車両の外観デザイン案(検討用)」、A案
出典:京都市「新型車両の外観デザイン案(検討用)」、C案
機器周りについて
台車は日本製鉄製のボルスタレス台車「SS188」を採用。
VVVFインバータは三菱電機製を採用しています。箱には東芝と書かれていますが、SIV装置のようです。
製造メーカー・価格は?
現在、東大阪市にある近畿車輛にて製造が行われています。
これは、京都市交通局の調達ページからも読み取れます。
注文日:2019.7.30
・高速鉄道烏丸線新型車両車体及びぎ装…近畿車輛(52億7000万円)
・高速鉄道烏丸線新型車両台車及び連結器…住友商事(12億6800万円)注文日:2019.7.31
・高速鉄道烏丸線新型車両制御装置…菱電商事(5億9993万円)
・高速鉄道烏丸線新型車両主電動機…三菱電機(2億8789万円)
・高速鉄道烏丸線新型車両集電装置…東洋電機製造(3697万2000円)注文日:2019.8.01
・高速鉄道烏丸線新型車両低圧電源装置…東芝インフラシステムズ(2億6465万円)
・高速鉄道烏丸線新型車両ブレーキ装置…菱電商事(7億1000万円)
・高速鉄道烏丸線新型車両ATC/ATO装置…日立製作所(5億2387万円)注文日:2019.8.02
・高速鉄道烏丸線新型車両車両情報装置…菱電商事(2億6278万円)
・高速鉄道烏丸線新型車両空調装置…菱電商事(4億7400万円)
・ 高速鉄道烏丸線新型車両案内表示装置…三菱電機(3億3109万8000円)
上記は全て発注数量が「9編成」となっており、9編成の一括発注であるようです。
ちなみに、J-TRECはデザイン入札を1円で落札したことが話題になりましたが、結果的に車体製造については近畿車輛へ譲った形となっています。
走行シーン
2021年10月から試運転がスタートしています。警笛などは先代車両と同じものが使われているようです。
烏丸線新車関連リンク
各社新車情報
参考文献
京都市「主な調達品目(令和元年度上半期分)」
京都市「電子入札対象案件 入札執行結果 (物品)令和元年度」
京都市「新型車両の外観デザイン案(検討用)」
京都市交通局『おふたいむ』2021年6月号
京都市交通局『京都市営地下鉄移動等円滑化取組計画書(令和2年度)』
京都市交通局『「京都市交通局市バス・地下鉄事業経営ビジョン 2019年度~2028年度)』
日本地下鉄協会『SUBWAY 日本地下鉄協会報 229号』