今から21年前の1999年(平成11年)6月9日。この日は広島電鉄5000形「GREEN MOVER」がデビューした日です。
日本で初めて5連接車体の路面電車となったそのインパクトたるや相当なもので、日本の路面電車史に残る名車です。
広島電鉄の新時代を作った名車
広島電鉄は、2号系統と呼ばれる広島駅前~宮島口間の主力路線を保有しています。
この路線は広島駅前~西広島間は路面電車のような低速区間なのに対し、西広島~宮島口間は地下鉄のように70km/hでかっ飛ばす、ライトレールと呼ばれる区分になります。
この路線向けに、長大編成・超低床車両としてドイツのシーメンス社から第1編成が空輸されてきたのがこのGREEN MOVERです。現在でもほぼ専属で運用に就いています。
この5000形はメーカー側の愛称では「コンビーノ」という名前で、欧州各国ではよく見られるスタイルのようです。
現在は後輩である日本製の5100形、およびその後継5200形が導入され、「グリーンムーバー」の名前も受け継いでいますが、デザイン性だけで見ると今でもこの5000形が頭一つ飛び抜けているように思います。
また、短編成用の1000形も導入されており、5000形から始まったグリーンムーバーシリーズは、現在4系列にものぼり、広島の新しい時代を作った車両です。