JR東日本は、2026年3月に向けて運賃値上げを行うべく、国土交通大臣へ申請を行ったと発表しました。
現段階はまだ申請段階ではありますが、概ね鉄道事業者の値上げ申請は通るので、値上げされる見通しで、定期外の運賃改定率は7.8%となります。
山手線の運賃値上げはリークされていましたが、関東圏全体の運賃値上げとなろうとは…
①「電特・山手線内」の廃止
今回の大きなトピックは、「電車特定区間」「東京山手線内」のエリア設定の廃止が挙げられます。これらを運賃区分の「幹線」に統合し、実質的な値上げを行います。
【電車特定区間・東京山手線内について】
電車特定区間は、東京エリアの利用者が多い区間の中で乗降する場合に限り、通常のキロ数計算で算出される運賃よりも安く移動できる運賃制度です。
1984年に当時の国鉄が「国電区間」という名称で導入し、現在まで続けられてきました。
また、東京山手線内についても趣旨は同様ですが、電車特定区間よりも更に安い運賃制度が適用されています。
簡単に図示すると
通常運賃
▼
(利用者が多いから値引きされる)電車特定区間
▼
(更に利用者が多いから値引きされる)東京山手線内
という関係です。
②運賃値上げの幅
![](https://207hd.com/wp-content/uploads/2024/12/無題_1.jpg)
JR東日本から明示された、運賃値上げの一例はご覧の通り。
図は東京駅からのものですが、「電車特定区間・山手線内」だった条件をモロに受け、かつ距離も長い渋谷・新宿・池袋の3駅では、50円値上げの260円となります。
これは結構な痛手ですね…
③東京~熱海間は別設定へ
これまでは国鉄時代の名残から、JR東海の東海道新幹線と並走する東京~熱海間では、どちらの切符を持っていても同じ経路として考えて乗車が可能でした。
しかし今回の運賃改定から、それぞれを別線と改める為に専用の切符が必要となります。
改定後は、JR東日本で東京から熱海まで行くと2,090円となりますが、JR東海では価格変更を行わない為、1,980円の価格が適用されます。
その他
・切符の価格は全てICカードより高値に
・通学定期券は価格を据え置き(電特・山手線内を除く)
・鉄道バリアフリー料金は廃止
関連リンク
参考文献
- 東日本旅客鉄道株式会社「運賃改定の申請について ~2026 年 3 月の運賃改定に向け、手続きを開始しました~」