東京証券取引所は、東京地下鉄株式会社(東京メトロ)のプライム市場への上場を承認したと発表しました。
上場日は2024年10月23日からで、売り出し株式数は2億9050万株で想定売り出し価格は1100円。時価総額は6400億円規模となります。
正式な売り出し価格決定日は10月15日です。
地下鉄を専業とする企業としては、初めての上場となります。
IPOにあたって
東京メトロの株主は国(財務大臣)が53.4%、残りの46.6%が東京都の保有ですが、これらを売却して復興債(東日本震災)の償還費用に充てると定められています。
元々は2009年度までに上場することを目標としていたものの、長らく延期されてきました。
経営指標
東京メトロは、昨年度実績で売上高が3892億円、純利益462億円となっています。
これを当サイトが例年発表している「上場鉄道ランキング」に当てはめると、京王電鉄と京阪ホールディングスの間(15位)程度の規模になります。
順位 | 企業名 | 売上高(2023年度) | 前年度 |
---|---|---|---|
1 | JR東日本 | 2兆7301億円 | 2兆4055億円 |
2 | JR東海 | 1兆7104億円 | 1兆4002億円 |
3 | JR西日本 | 1兆6350億円 | 1兆3955億円 |
4 | 近鉄グループホールディングス | 1兆6295億円 | 1兆5610億円 |
… | |||
12 | 小田急電鉄 | 4098億円 | 3951億円 |
13 | 京王電鉄 | 4086億円 | 3471億円 |
東京地下鉄 | 3892億円 | 3453億円 | |
14 | 京阪ホールディングス | 3021億円 | 2600億円 |
15 | 京成電鉄 | 2965億円 | 2523億円 |
16 | 京浜急行電鉄 | 2806億円 | 2530億円 |
17 | 相鉄ホールディングス | 2700億円 | 2496億円 |
18 | 南海電気鉄道 | 2415億円 | 2212億円 |
京阪・京王規模の企業がいきなり上場するのですから、大きな話題となりますね。
株主優待も
また、株式上場にあわせて株主優待制度も導入。
私鉄などと同じく、所有株式数に応じて優待乗車証を発行するスタイルとなります。
所有株式数 | 優待乗車証の種類 | 発行枚数 | |
---|---|---|---|
3月末に株を持っていた場合 | 9月末に株を持っていた場合 | ||
200株~399株 | 全線切符 (片道1回) | 3枚 | 3枚 |
400株~599株 | 全線切符 (片道1回) | 6枚 | 6枚 |
600株~799株 | 全線切符 (片道1回) | 9枚 | 9枚 |
800株~999株 | 全線切符 (片道1回) | 12枚 | 12枚 |
1,000株~2,999株 | 全線切符 (片道1回) | 15枚 | 15枚 |
3,000株~4,999株 | 全線切符 (片道1回) | 45枚 | 45枚 |
5,000株~9,999株 | 全線切符 (片道1回) | 75枚 | 75枚 |
10,000株以上 | 全線定期乗車証 | 1枚 | 1枚 |
200株以上を保有している場合に、上記の優待乗車証が貰えるそうです。
例えば売り出し時の価格である1,100円を基準にすると、1,100円x200株で220,000円が優待乗車証を貰える最低ラインとなります。
株価は日々変化しますので、必ずこの価格であるとは限りません。
10,000株以上では全線定期乗車証が貰えますが、これを手にするには1100万円が必要ということに…ひえっ
この他、3月末に株式を保有していた株主には
・EC サイト「メトロの缶詰」300 円引きクーポン券1枚
(3,000 円以上お買い上げの際、1年間何度でも利用可能)
・「地下鉄博物館」無料招待券5枚
・ 「そば処めとろ庵」かき揚げトッピング無料券(350 円以上ご利用の方に限る)3枚
・ ゴルフ練習場「メトログリーン東陽町」入場無料券 (平日限定)5枚
これらの優待券もあわせて発行されるとのことです。
関連リンク
参考文献
東京地下鉄株式会社「株主優待制度の導入に関するお知らせ」
東京地下鉄株式会社「東京地下鉄株式会社の株式売出しについて」
日本経済新聞「東京メトロ10月上場 東証承認、時価総額6400億円」