熊本市交通局は、9700形のうち9702号車・9703号車2本の廃車業務に伴う入札を公告しました。
同車は、日本では当たり前になりつつある超低床車のパイオニアですが、1999年製なので僅か25年で廃車となることになります。
搬出予定時期は2025年1月頃を予定しています。
旧型車が残る一方…
この9700形は、ドイツのアドトランツ製「ブレーメン形」を新潟鐵工所が日本向けに仕様変更した車両で、日本初の超低床車両です。
いわば「外車」になるこの車両ですが、現在富山ライトレールや宇都宮ライトレールに導入されている車両は、この後継モデルになります。
仕様書によると、9703号車は既に前面ガラスがない状態とのことです。
しかし、近年は外国車両の老朽化が目立ってきました。広島電鉄でも、同時期に導入したドイツ製の5000形「グリーンムーバー」の廃車が示唆されています。
この当時は国内に超低床車を製造できるメーカーがなかったので仕方がないのですが、新しい車両が20年程度で廃車となる一方、経年50-60年を超える旧型車を動かす必要があるのは、運営事業者にとって頭を抱える問題でしょう。
熊本市交通局の安全報告書によると、昭和30年代に導入された1200形(1205号・1207号車)は延命化改修工事を行っているほどです。
このこともあるのか、今年から導入される新車には国産の「リトルダンサー」(2400形)が採用されており、今後は10編成が導入される見込みです。
関連リンク
参考文献
- 熊本市交通局「路面電車車両廃車処理業務委託」
- 熊本市交通局「令和4年度(2022年度)安全報告書 」