1994年9月4日。大阪府南部の泉州沖に、西日本最大の国際空港である「関西空港」が開港しました。
これにあわせて、難波からは南海電鉄の50000系「ラピート」が、京都や新大阪・天王寺からはJR西日本の281系「はるか」がそれぞれ運行を開始しました。
すなわち、今日は「ラピート」「はるか」の30歳のお誕生日です!おめでとうございます!
ラピート
ラピートは南海電鉄の空港特急です。
途中行先幕のLEDへの換装、車内ディスプレイのLCDへの換装など細かい所で改修工事は行われているものの、1994年のデビュー時から一貫して50000系が使用されています。
そもそも運行距離自体が難波~関空の42.8kmと短いこともあり、経年劣化の度合いが遅いのかもしれませんね。
デザインは「鉄人28号」と呼ばれるレトロ・フューチャーな顔つき。誰が見ても大きなインパクトを持つその造形は、飛行機の流線型のイメージも採り入れたそうです。
塗装には雲母入りの濃紺色を採用しており、空と海のきらめき感を意識しているとのこと。
このデザインも相まり、1997年まではラピートの乗車率は絶好調だったようです。
ラピート七変化
ラピートといえば、各種ラッピングや塗装の変化に定評があります。
上記は、関西空港を拠点とするLCC「ピーチ・アビエーション」の広告出稿で、ラピートがピーチ社のイメージからである白とピンクになった際の写真。
これラッピングだけではなく、先頭部分をわざわざ塗装しているんです。手間かかってますねぇ…
続いてこちらは、ガンダムのネオ・ジオン軍をイメージして赤色になった時の写真。
ラピート20周年を名目に、何故かガンダムとのコラボで赤くなりました。3倍早く走りそうですね…!
こちらは塗装ではありませんが、前面部にすみっコぐらしのぬいぐるみを載せた際の写真。
側面にもすみっコぐらしのラッピングがなされました。もうなんでもありですね
そして2024年現在は、大阪・関西万博のセカンダリカラーをイメージした水色となっている車両があります。
カメレオンもびっくりの七変化ぶりですね…!
【特別塗装】
・2014年4月26日~6月30日…「赤い彗星の再来 特急ラピート ネオ・ジオン バージョン」(50002F、赤)
・2014年9月7日~2015年8月31日…「Peach×ラピート ハッピーライナー」(50005F、白)
・2015年11月21日~2016年5月8日…「特急ラピート「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」号」(50005F、黒)
【ラッピング】
・2021年8月7日~12月 「すみっコぐらし ラッピング」(50005F)
・2024年4月13日~ 「大阪・関西万博ラッピングラピート」(50001F)
その他多数
ちなみに
尚、導入前は11000系のようなオーソドックスなデザインの車両を導入するつもりだったとのこと。現在のデザインで大正解ですね…!
また、この塗装はスバル・インプレッサのカラーを参考にしたとのこと。意外な繋がりがあるんですねぇ…
現行のネイビーブルー以外には、グリーンとタスマニアブラウンという候補もありましたが、南海社内の会議で全会一致で青が指名されたのだそうです。
はるか
一方、こちらの「はるか」はJR西日本が用意した空港特急です。
未来をイメージしたラピートとは趣きが異なり、京都を通過することもあるのか日本的なはんなりとした優しいデザインですね。
当初はラピートよりも地味な存在であることや話題性の低さから利用者が低かったようですが、天王寺・新大阪・京都といった京阪間の主要都市を抑えていることもあり、1997年には利用者数が逆転。
現在ではインバウンド客がひっきりなしに利用し、基本6両に3両が増結されるのが当たり前になるほどの盛況ぶりを見せています。
また281系は、天皇陛下のお召し列車としてもよく起用される車両です。
2020年から増結用の271系も登場。
ラピートと異なり、こちらは2代目が登場しています。
ちなみに
ラピート・はるかの30周年を記念したイベントも行われますが、今ひとつツボにハマらないものが多い印象。
WEST EXPRESS 銀河が関西空港まで乗り入れてくるぐらいでしょうか…。
例えば、ラピートが天王寺まで、はるかが難波まで来るようなイベント、出来ないですかね…笑
関連リンク
参考文献
東洋経済オンライン「南海電鉄、ガンダムコラボ列車の劇的効果「シャア」仕様のラピートはどう受け止められたのか」