前回お伝えした、大阪モノレールに兵庫県区間があるお話。
大阪空港駅周辺に伊丹市の飛び地がある関係で、「大阪モノレールは日本唯一の(府)県をまたぐモノレールである」という根拠になっているお話でしたね。
あれが気になったので、今回現地まで見てきました。
駅から覗いてみる
やってきたのは、大阪モノレールの終点「大阪空港駅」
駅を降りて先を見ると、行き止まりまでの短い区間にレールが存在します。
このレールのこの部分が、わずかに兵庫県伊丹市なんです。
下からも見てみよう
駅から降りて現地を見てみましょう。
ちょうど道路が脇に分岐する、この三角形の土地が兵庫県伊丹市になります。
ペデストリアンデッキから終点方向を覗いてみましょう
ちょうどこの三角形のあたりが、兵庫県伊丹市になります。
きみはいま!
兵庫県への第一歩を踏み出した!!
何の変哲もないこの光景も…
こうしてセグメント分けすると、この奇妙さがよくわかりますね(笑)
何故こうなったのか?
そもそも、何故このような飛び地が出来ているのでしょうか。
調べてみると、その歴史は豊臣秀吉時代にまで遡ります…。
当時の豊臣秀吉は、全国の年貢(税金)をきっちりと取るべく、太閤検地という田畑の測量を行いました。
太閤検地では農地を管理する都合上、元々あった村をかなり細かい村へ分割させることになりました。
その結果、元は同じ村に属していた田畑が、別々の村として区分されることになり、これが後世にまで影響を及ぼし、現在の飛び地が生まれたのです。
つまり兵庫県伊丹市の飛び地は、別の兵庫県伊丹市の土地を持っていた方がそこにも土地を持っていたが故にこうなったようです。
こういった飛び地はかつて全国にありましたが、戦後になって固定資産税の計算やゴミ・水道などの行政サービスにも不都合が出るので、合併してなくすケースが多々見られました。
しかし、今回の大阪空港のケースでは
・大阪空港で当時は国有地、なので固定資産税は発生しなかったこと
・居住する人物がいないので行政サービス云々に影響が出ないこ
など、特に不都合が生じていませんでした。
このことから伊丹市・豊中市・池田市もわざわざこの飛び地問題を解消せず、現在も存置されています。