名古屋鉄道でかつて運行されていた、「いもむし」という電車をご存知でしょうか。
その泥臭い名前と印象は異なり、当時流行りの流線型や床下カバーを採用し、非常に洗練された名古屋鉄道の名車両です。
正式には名鉄3400系という電車で、電車でGO!名古屋鉄道編でも「高速」という見慣れない種別で登場したのをご存知の方もいらっしゃると思います。
そんな名車がまだ保存されていると聞いて、少し覗いてきました。
舞木検査場の様子
やってきたのは舞木検査場。名鉄の研修機能を引き受けている大きな車庫です。
ちなみに検”車”ではなく検”査”が正しい表記です。
この車庫は山の麓にあるアップダウンのキツい場所で、アクセスが結構大変…。
朝に訪れたこともあり、社員さんらしき方が通勤されている様子も伺えましたが、皆さん結構大変そうでした。
舞木検査場には、今回ご紹介する「いもむし」の他、かつてのパノラマDXも保存されています。
また、現在愛知県東部で運行されている「リニモ」のご先祖様であるHSST-100S形も保存されています。
毎年春に行われる舞木検査場の公開イベントでは、これらを余すこと無く撮影出来るのでしょうねぇ…。
名鉄ネタではおなじみのアングルであるこの留置線とも初遭遇。
撮影者の方は結構しんどい思いをしてここまで来られてるのですね…。
手前には1000系と入換用の車両が鎮座していました。
いもむしとご対面
あれこれ見回った後に正門前を訪れると…いました!
このひっそりと佇んでいるこの電車が、「いもむし」こと3400系です。
製造数はわずか12両ながら、およそ65年の長きにわたり走り続け、鉄道友の会「エバーグリーン賞」を受賞しています。
エバーグリーン賞とは
あまり聞き慣れない名前ですが、鉄道友の会「ブルーリボン賞」「ローレル賞」などに並んで、鉄道車両へ贈られていた賞です。
長きにわたって活躍してきた車両に贈られるもので、1984年~2003年の間だけ制定されていました。
車体は、落成当時の1937年に流行っていた流線型の前面を採り入れると共に、足回りについてもカバーで覆われた斬新なスタイルでした。
側面から見ると時代を感じる作りですが、要所要所でその当時に「未来の電車を作ろう」とした気概が伺えますね。
この時代と言えば、以前ご紹介した国鉄52系電車が登場した年でもあり、いもむしと同じく流線型が採り入れられています。
気づけば、この時代のレトロフューチャーな作りの電車を妙に追いかけています…笑
この「いもむし」、名古屋へ訪れた際には「是非一度見たい…!」と思っていたのですが、無事果たせたのが嬉しいポイントでした。
ただ、なるべく太陽光に当たってる際に撮りたいと思い、Googleマップで見ると朝が順光っぽいとわかったので朝7時頃に訪れたものの、検査場右側は大きな山だったのでまだ日陰の状態…
残念ながら順光での撮影は果たせずじまいで、ここだけがちょっぴり残念ポイントでした。
順光で撮影したい場合は、午前11時頃に訪れると良い写真が撮れそうです。
アクセス
名鉄藤川駅、もしくは名電山中駅が最寄りですが、両駅ともかなり距離があります。