日立レールは、アメリカ・フィラデルフィアで地下鉄を運行する「南東ペンシルバニア交通局」(SEPTA)から、マーケット・フランクフォード線へ投入する新型車両「M-5」を受注したと発表しました。
発注車両数は200両で、最大40両を追加発注を行うオプションもあわせて設定されています。
契約金額は7億2430ドルで、プロトモデルが2028年に到着、2029年から量産車両の投入開始となります。
詳しい解説
南東ペンシルベニア交通局は、地下鉄の他に近郊電車・路面電車・バスなど、フィラデルフィア市を中心に交通事業を運営する公営企業です。
この兼ね合いもあり、新車導入にあたってはアメリカ運輸省の連邦交通局から、投入予算の半額となる3億1700万ドルの補助金を受けています。
今回投入されるマーケット・フランクフォード線(通称;L)では、これまでドイツ製のアドトランツ社の車両「M-4」が使われてきました。
今回投入される新車には、以下の新機軸が導入されるとのことです。
・自動ドア
・リアルタイムデータを備えたデジタル路線案内
・消費エネルギーを低減するための回生ブレーキ
・乗客移動性、法執行機関のための可視性を向上する車両間の貫通路
・より大きな乗客輸送能力
・改善された乗客通信システム
・ロングシート
・立席乗客用の手すり
・信頼性向上のためのデジタル技術
新車は日立レールの米国工場(メリーランド州)で製造され、引き渡されれる予定です。
関連リンク
参考文献
- Hitachi Rail「SEPTA Board Awards Contract for Purchase of New Market-Frankford Line Fleet」
- SEPTA「SEPTA Board Regular Meeting」、2024-6-25