国土交通省、および鉄道・運輸機構は、北陸新幹線の敦賀~大阪延伸に関わるルートを発表しました!
新たに建設される駅は小浜市周辺・京都市周辺・松井山手周辺・新大阪駅の4箇所で、当初案通り小浜ルートが適用されることになります。
路線図
発表されたルート案。
敦賀から若狭湾の沿いを通って小浜市の地上駅に到達後、進路を南に変えて丹波高原の山の中を突っ切り、京都駅周辺に地下の新駅を設定。
その後は京田辺市周辺まで南下し、途中地上に顔を出しつつも松井山手駅では再び地下駅へ。最後の新大阪駅までは大深度地下を利用して繋げる計画です。
車両基地は、京都市南部にある巨椋池周辺に設置されるようですね。
地上区間は敦賀・小浜周辺の僅かな区間と、車両基地から松井山手までのエリアのみで、残りは全て地下トンネル(シールド)、もしくは山岳トンネルとなります。
京都市内案は3つ
このうち、京都市に設置される駅の予定は3つあります。
①:京都駅併設案(東海道新幹線の南側へ東西方向に設置)
②:京都駅併設案(近鉄京都駅南西部付近へ南北方向に設置)
③:桂川駅併設案(陸上自衛隊 桂駐屯地付近へ設置)
それぞれにメリット・デメリットがあり、以下のように算出しています。
①東西案 | ②南北案 | ③桂川駅案 | |
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総延長 | 146km | 144km | 139km |
駅の深さ | 50m(深い) | 20m(浅め) | 50m(深い) |
停車場 | (仮)東小浜駅:地上 (仮)京都駅:地下 (仮)松井山手駅:地下 新大阪駅:大深度地下 車両基地:1箇所 | ||
新大阪駅までの工期 | 25年程度 | ||
京都駅までの工期 | 28年程度 | 20年程度 | 26年程度 |
乗換の利便性 | 京都駅:11分 | 京都駅:13分 | 桂川駅:10分 |
概算事業費 (2023年4月現在) | 約3.7兆円 (年換算:1321億円) | 約3.9兆円 (年換算:1950億円) | 約3.4兆円 (年換算:1307億円) |
物価上昇を見込んだ場合の 概算事業費 | 約5.3兆円 (年換算:1892億円) | 約5.2兆円 (年換算:2600億円) | 約4.8兆円 (年換算:1846億円) |
このうち最も建設工期が短くなるのは、②の京都駅併設・南北案で20年。
最も安価かつ走行距離が短く済むのは、③の桂川駅併設案で、総額3.4兆円となります。
①の案は、烏丸線や東海道新幹線の構造物を避ける為にかなり難儀な工事、かつ時間もかかるようですね…。
桂川駅へ設置するのは最もやりやすそうですが、京都駅に繋がらない(在来線乗り換え)となるのが少しネックでしょうか。(新大阪駅⇔大阪駅に似たような関係ではありますが…)
尚、いずれのルートもシールドトンネルを用いるため、地下水への影響はないとしています。
今後
今後は予算の要求や関係者との着工条件を確認後、令和8年(2026年)3月までに工事を認可する模様です。
大阪としては、北陸新幹線の敦賀開業で福井・金沢へサンダーバードの運行がなくなり、北陸へのアクセスルートが絶たれて非常に不便な状態が続いていることから、一刻も早く繋げて欲しいところですね。
関連リンク
参考文献
国土交通省鉄道局、(独)鉄道・運輸機構『北陸新幹線(敦賀・新大阪間)詳細駅位置・ルート図(案)ご説明資料』、令和6年8月