7月21日にデビューした、阪急の有料座席車「プライベース」
京阪プレミアムカーの時と同じく話題沸騰のこの電車、私も早速乗ってきました!
良かった点・悪かった点
はじめにプライベースの良かったところ、悪かったところをざっくりとまとめてみます。
良かった点
・2列席に設置された大型の仕切り
・カーペット敷の床
・耳横まで覆われたバケットシート
・コンセント、読書灯装備
・アテンダントさんの巡回が必要最小限
評価が分かれる点
・小さいサイドテーブル
・浅めのリクライニング座席
・フットレストがない
・窓が小さい
・着座感は普通の阪急電車
悪かった点
・駅ではチケットが買えず、オンラインのみ
・列車内ではアテンダントさんから買えるが、そのせいで乗車時は大混雑
・天井が安っぽい
・窓まわりの縁取りと内装があってない
・影が多く暗い
また「プライベース」に割り当てるため一両がなくなっているので、7両部分のラッシュは更に混むようになったとの報告がいくつか見られました。
全体的な評価としては、JR「Aシート」よりは上だけど、京阪「プレミアムカー」には今一歩劣る感じです。
順に見ていきましょう。
外観…◎
大阪梅田駅に到着した2300系。誇らしげに「プライベース」のヘッドマークを掲げています。
最新系列の2300系以外に、これまで特急運用で活躍してきた9300系の一部車両へも、プライベース車両がついています。
プライベース車両の2350号車。まるで旧1等車のような、独立した小窓がずらーっと並んでいるのが高級感ありますね!
添えられたゴールドのラインとCIマークがいい感じです。
座席券の購入…△
プライベースの事前購入乗車券は駅では売っておらず、オンライン専用とのこと。
このあたりは現地でチケットを買えた京阪よりも少し勝手が悪いですね。
一応飛び乗りでも、車内にいるアテンダントさんから購入できるのですが、乗車券発券の負担が全て1人のアテンダントさんに集中しているせいで、乗車するまで時間がかかるのがネックでした。
また、プライベース車両は特急・準特急に設定されていますが、2024年現在全ての列車に設定があるわけではなく、概ね20分ごとに1本の設定でした。
時間によっては40分程度来ないこともあり、比較的バラつきがあります。
この辺はまだ導入最初ということもあり致し方ないですね。
車内インテリア…△
お待ちかね、車内の様子はこんな感じ。
…なんというか、ファーストインプレッションは「…あれ?思ったほど?」というのが正直な感想。
なんというかレトロとも言いづらいぐらいの、昭和末期のサロンのような雰囲気でした。
このあたりは懐古調に振り切るなら思いっきり振り切ってほしかったな…と思います。
一番気になったのはこの天井部分。なんというか、妙に安っぽく見えますね…。
ラインデリア(天井のエアコン送風部分)が銀色なところに、野暮ったいというか、チープ感を感じます。
阪急とは反対に、未来館を出している京阪3000系「プレミアムカー」だとこんな感じ。
違いとして
・エアコン送風部分がブラックアウトして野暮ったくない
・照明同士の繋ぎ目部分がない
点が大きく異なるポイントでしょうか。
車端部には横長型のLCDモニタを装備。
構造上仕方ないんですが、ドア側のモニタは左側に設置されており、左側に座られた方から見えづらそうでした。
座席…◎
車内インテリアやチケットの購入が今ひとつで「あれ…?」と思い始めてきたのですが、座席自体は「流石阪急…!」といえる素晴らしいものでした。
座席の座り心地自体は、悪くもないし、かと言ってめちゃくちゃ良いわけでもない。
元々(普通の)阪急電車の座席が良いものを使っているので、他の電車より良いのは間違いないんですが、プライベースだからと言って他の阪急電車との違いはあまり感じませんでした。
それよりも2人席での大きなパーテーションが大きなプラスポイントと感じます。
当日は1人席が空いてなかったのでやむなく2人席に乗車したのですが、横にいらした別の方を全く意識することなく、1人席かのように座れたのはかなり快適ポイントでした。
また、側面にまで回るヘッドレストカバーは、斜めからの視界を遮る構造で良い感じですね!
また、窓の幅が小さい点に不平を言われる方が多いようですが、私は個室感・貴賓室感が強くていいなと思いました。
プライベースのコンセプトはプライベート。いわば個室空間です。
阪急によると、
「“自分時間”にこだわる、阪急らしい特別な一両」をコンセプトに、
プライベート感と快適性を兼ね備えた上質な空間づくりを目指しました。
と、プライベート感を強調したコンセプトで車両づくりを行っているのがわかります。
この方向性で割り切るのなら、このような窓割りでもアリだなと感じました。
小さいとはいえ眺望は悪くないですし、先程のパーテーションと共にコンセプトから全くブレておらず、好感が持てます。
特急電車のような荷物入れもありました。ハンモックタイプでなく、割としっかりした素材のものが使用されています。
その横にはドリンクホルダーも設置。
また、肘掛け下部分にはコンセントも設置されています。
その上に読書灯のスイッチがあり、更に上部にリクライニングのレバーが備えられています。
車内は非常に静かで、長岡天神〜烏丸では爆睡するほどでした。
その他
レビューとは異なりますが、乗車していて感じたこと、見かけたことを列挙しておきます。
・運行開始から魔もないこともあって、十三では物珍しそうに写真を撮る人々が見られました
・淡路ではプライベースの乗車位置で待っておられる方がいて、戸惑われておられました
・LCD装置がバグり、茨木市なのに烏丸の表示が出るなど不良も見られました
・2300系は全車がクロスシートでした
まとめ
ということで阪急プライベースの乗車記、いかがでしたでしょうか。
どうもサービス開始後初の土日にはかなりの利用者がおられたようで、1時間半待たないと乗れなかった…という意見も見られました。
最初なので不慣れなところもあるようですが、まずまずの健闘ぶりを見せています。
京阪プレミアムカーは半年で1.7億円の増収効果をもたらしましたが、阪急プライベースではどの程度の効果があるでしょうか。