名古屋市北部周辺で「城北線」を運行する東海交通事業は、社名を「JR東海交通事業」へ変更することを発表しています。
JR東海グループの一員であることを明確にすべく、変更するとのことです。
時期は明日2024年10月1日からで、英字表記は「JR-Central Transport Service Company 」となります。
微妙な立場の城北線
これだけだと単なる社名変更に過ぎませんが、少し気になるポイントがあります。
それは城北線の取り扱いについてです。
現在の城北線は複線の高架ホームを持っており、かなり高規格な路線です。
にも関わらず、
・現在は単行のキハ11形気動車が行き交うだけ
・JR東海の他路線にも乗り入れしてない
・乗り換えも不便
なことから、利用者が少ない状態が続いています。
更に、勝川駅はJR東海の駅と場所が異なっており、屋根もない一般道を400m程度歩かされる状態です。
春日井市議会の弁によると、利用者から「心臓破りの階段」と言われているそうです(笑)
…と踏んだり蹴ったりな城北線なんですが、実はこれ「敢えて不便にしている」という説があります。
償還後は便利になる?
歴史的経緯から、城北線は鉄建公団という国の組織が建設して、JR東海がその線路を借りて運行している為、賃料を毎年JR東海が国へ支払う方式となっています。
その費用が非常に高額で、他線への乗り入れや電化工事など便利になる投資を行えば更にその費用が高くなることから、安く賃料を抑えるために不便にしている、との説があります。
実際、JR勝川駅には、将来の城北線乗り入れを想定しているかのようなスペースが作られています。
その返済期限が2032年度でありまもなく終了することから、今回の社名変更はそれを見据えたものではないか…という説があります。
関連リンク
参考文献
株式会社東海交通事業「社名変更のお知らせ」、2024年7月12日