名古屋鉄道は、2024年3月に運賃値上げを実施すべく、5月26日付で国土交通大臣宛に運賃の変更認可申請を行いました。
現在はまだ申請段階で正式決定したものではありませんが、今後国土交通省内で可否の決定がなされる算段となっています。
値上げが実現すれば、消費税増税以外によるものとしては1995年以来、29年ぶりとなります。
当社が主な事業エリアとしている中京都市圏は、三大都市圏の中では人口密度が低く、マイカー保有率も高いことから移動における公共交通の分担率が低水準であり、鉄軌道事業としては従前から厳しい環境にありました。そのような中、1995 年の運賃改定以来、消費税率変更に伴う運賃改定を除き、運賃を据え置いて事業を行ってまいりましたが、新型コロナウイルス感染症によるテレワークなど新常態の定着やマイカー通勤をはじめとした他の輸送モードへの転換による通勤利用者の減少等により、輸送需要はコロナ前水準に戻らない見込みであるとともに、電力料金や資材価格の高騰による経費増加の懸念もあり、厳しい状況は今後も継続する見込みです。
一方、鉄軌道事業を継続し、永く社会に貢献し続けるためには、安全・安心・安定輸送の確保に必要な既存設備の更新に加え、社会環境の変化に合わせた投資が必要不可欠となります。今後も構造改革による経費の削減などに継続して取り組んでまいりますが、新常態の定着や経費増加が懸念される状況の中において、事業継続に必要な対応を着実に実施していくために、不足する費用の一部についてお客さまにご負担をお願いするため、運賃改定の申請を行いました
出典:名古屋鉄道「鉄軌道旅客運賃の改定を申請しました」
値上げ幅は…
詳細な値上げ幅については明らかにされていませんが、以下のような説明がなされています。
乗車券
・初乗り運賃は10円値上げ
・改定率は普通運賃で10.5%、通勤定期で11.6%。通学定期は据え置き
・7kmまでの区間は改定率を抑える
・上飯田駅など、歴史的経緯から制定されていた特定運賃は今改定にあわせて廃止
特別車両(ミューチケット)
・現行の360円から450円へ値上げ
・平日9時~16時、および土日全時間は「閑散時間帯割引料金」として設定。
現行より60円安い300円へ値下げ
・車内精算料金は500円へ値上げ、座席指定が可能に
値上げ一辺倒だった運賃とは違い、特別車両については新制度を制定し、ラッシュ時以外は値下げするという施策を発表しています。
特別車両に乗りやすくなりますね。
関連リンク
参考文献
名古屋鉄道「鉄軌道旅客運賃の改定を申請しました」