中国の電気自動車メーカーであるBYDが、バス車両のボルトやナットの防錆剤としてに「六価クロム」を使用していたことが判明しました。
六価クロムは法規制こそなされていないものの、日本自動車工業会が使用禁止物質として指定する発ガン性物質です。
この影響で、BYD製バスをいち早く採用していた京阪バス(BYD・J6)が運休を余儀なくされているようです。
BYD社の声明
BYD社のリリースによれば六価クロムを使用していることを認めていますが、通常運用においては乗員・乗客はもちろんのこと、整備メンテナンス担当者においても問題がないとのことです。
また、今後は六価クロムを持ち無い素材で販売を続けていくとしています。
BYD は、日本国内で販売している EV バスにおいて、ボルトやナット類の防錆剤として六価クロム
を含んだ溶剤を一部使用しております。しかしながら、車両製造後、通常の車両運用においては、乗員・
乗客および整備メンテナンス担当者への影響はございません。また、廃車時においては、当社が指定する
リサイクル事業者を通じて当該物質の無害化処理を行ったうえで処分するため、環境への影響もござい
ません。
BYD の EV バスは、日本で販売するにあたり必要な法規に準拠してまいりましたが、2023 年末に日本
国内で納車を予定している新型 EV バスにおいては、日本自動車工業会の自主規制に準拠した素材で車両
を製造し、販売いたします。出典:ビーワイディージャパン株式会社 1)
この車両を使用している京阪バスのステーションループバス(京都駅[ホテルサウザンド]~京阪七条駅~鉄道博物館など)は、本日からディーゼル車両での代替便を運行しています。
ポンチョ(F-3198)、エアロミディ(W-1129)、レインボーII(W-3008)の3台が急遽応援にかけつけているようです。
また、27日より運行開始予定だった西武バス(BYD・K8)や、中国製バス(アルファバス、BYDとは別の会社)の導入を予定していた伊丹市交通局も電気バスの採用を凍結するなど、間接的にも影響が出ています。
難儀なことになりましたね…
関連リンク
参考文献
ビーワイディージャパン株式会社 「当社 EV バスに関する一部報道について」、2023年2月23日
京阪バス「ステーションループバス ディーゼル車両での運行について」