江ノ島電鉄は、2023年3月18日からダイヤ改正を行うと発表しました。
残念なことに、今回の改正では1952年以来維持してきた12分間隔を廃し、14分間隔への待ち時間増大が行われます。
改正後の各駅の時刻表は、公式サイト内にて掲示されています。
「12分」のメリット
現在行われている「12分間隔」運行は、1時間が60分なので毎時5本が運行されることを意味します。
例えば、現在の藤沢駅の時刻表は6時~20時まで発車分数が「0・12・24・36・48」の時刻で固定化されており、利用者にとっても利便性が高いものでした。
ところが、これが14分間隔になると毎時あたりの本数は4本へと減少し、パターンも崩れてしまいます。
先程の公式サイトにおける改正後時刻を見てもらうとわかりますが、藤沢駅の発車分数はバラバラになってしまいました。
乗客が40%減少
目的
1.定時運行を確保します当社では、混雑による遅延の他、腰越併用軌道区間(路面区間)での道路混雑を起因とした列車遅延も多々発生しており、単線運行であることから、1列車の遅延が全列車の遅延へと波及し、遅延発生時には、定時運行に回復するまでに時間がかかります。
今般、駅停車時分を見直すことで、遅延発生の場合においても回復力のあるダイヤとし、安定輸送の確保を図ります。
2.お客様のご利用動向を踏まえたダイヤになります
新型コロナウイルス感染症拡大後、新しい生活スタイルや働き方の浸透により、鉄道の利用シーンは変化しました。お客様のご利用動向に合わせたダイヤに改正します。
出典:江ノ島電鉄「ダイヤ改正の実施について」、2023年1月18日
江ノ電では、今回の改正理由の1つ目に「定時運行の確保」を名目として挙げていますが、本音は2つ目にある「利用動向が変わった=乗客が減少した」が主題ではないでしょうか。
神奈川県の統計を見てみると、ターミナルである藤沢駅の利用者は2019年度には437万人だったものの、コロナウイルス流行後の2020年には271万人と大幅に落ち込んでいます。
2019年度[人] | 2020年度[人] | |
---|---|---|
藤沢 | 4,376,130 | 2,711,789 |
江ノ島 | 1,583,055 | 863,173 |
鎌倉 | 4,649,179 | 2,415,572 |
出典:神奈川県「県勢要覧2021(令和3年度版)」
この数字は、1日あたりに換算すると11,989人→6,618人となり、1995年以来長年1万人台をキープしてきた実績からすると、非常に落ち込みが激しいと言わざるを得ません。
71年間キープし続けた時刻が変わるというのは江ノ電ユーザーにとっても衝撃が大きいようで、Twitterでは驚きの声が見られます。
各地で減便?
昨日には名古屋鉄道からも減便改正が発表されており、コロナウイルスの影響で減少した乗員数の影響がじわじわと響いてきている印象です。
今後、他の鉄道会社からも同様の発表がなされる可能性があります。
関連リンク
参考文献
江ノ島電鉄「2023年3月18日(土) 江ノ島電鉄線がダイヤ改正を実施します」