解体作業がスタートした、「タンゴエクスプローラー」KTR001形。
王道を往くハイデッカーのルックス、バブル時代特有のゴージャスな作り、鮮やかなゴールドカラー……
一時期は近畿圏内へも乗り入れしていたのですが、他のJR車両に引けを取らないスター性を持った車両であったように思います。
今日はそんなKTR001形の解体を惜しみ、過去の写真から在りし日のKTR001形を振り返ります。
夜の新大阪にて
2007年8月27日。夜の新大阪駅に到着するKTR001形です。
冒頭でも書いたように、天橋立や舞鶴湾などがよく見えるよう、ハイデッカーの車体となっていました。
また、側面窓は天井まで回り込むパノラマウィンドウで、美しい丹後へ誘うリゾート列車でした。
この日は2次車であるKTR011号車(以下3連)が、新大阪始発の「タンゴエクスプローラー3号」として、20:05に一番端のホームから発車していました。
ヘッドライトの前面はよく見ますが、あまり見ないテールライトは意外と可愛らしい目つきです。
隣のホームにはJR東海のキハ85系「特急ひだ」が到着。
同年代かつどちらも気動車特急ですが、KTR001形の存在感がより際立っています。
新大阪駅を発車するKTR001形。ディーゼルエンジンの白煙を吹きながら出発していきました。
それから
少し遡って2007年6月20日。11時16分に塚本を通過するKTR001形です。
実は製造当初は山陰線経由の京都行きだったのですが、1999年のダイヤ改正から新大阪行きとなりました。
2005年には尼崎での脱線事故が発生し、その後ATS-Pの取付が必須となったことから運用を後輩のKTR8000形と交代。2年の間大阪には姿を見せなかったのです。
2007年は復帰初年度ということもあり、比較的多く撮影していたようです。
そして…2022年9月21日。最期の時を迎えました。
この記事を書くにあたって過去の写真を見返していたのですが、KTR001形の写真はこれだけでした。運用時間的に会うのが難しかったのかもしれません…。
ということは、KTR001形を撮影するのは実に15年ぶりということになります。
車両は2013年から西舞鶴車庫にて留置(というより放置)されており、雨風に晒されて塗装は剥がれ、ボロボロの状態でした。
話は聞いていて撮りに行きたいとは思っていたのですが、ギリギリの日付となってしまったことを少し後悔しています…。
余談
インターネットエクスプローラーと同い年に引退
長年Windowsパソコンに付属していたWebブラウザ「インターネットエクスプローラー」ですが、奇しくも同じ「エクスプローラー」同士、2022年で探検を終えることとなりました。
インターネットエクスプローラは1995年から、タンゴエクスプローラーは1990年からですが、同じ名前のサービスが同い年に終わるのはなんだか運命的なものを感じますね(もちろん偶然ではあると思いますが)