四国新幹線整備促進期成会は、四国4県に設置する四国新幹線の駅候補地案をまとめ、6月1日に公表しました。
香川県については以前お伝えしましたが、今回はその他の徳島県・高知県・愛媛県についても改めて発表がありましたのでご紹介します。
但し、四国新幹線については正式な整備計画がまだなく、今回の公表はあくまで候補地案としてのものです。
一向に動かない四国新幹線整備に対し、地元側がこうした発表をすることで関心を深め、整備の機運を高める狙いがあります。
駅候補地
・香川県…高松駅、栗林駅、ことでん伏石駅、高松空港駅(発表済)
・徳島県…徳島駅、徳島空港駅、JR鳴門線と国道11号線との交点
・高知県…高知駅、後免駅
・愛媛県…松山駅
各県1~4駅の候補地案がリストアップされました。順番に見ていきましょう。
香川県
以前記事にしたのでこちらから御覧下さい
徳島県
①徳島駅案
徳島駅に新幹線駅を併設することで検討しています。
徳島駅は交通面でも徳島市としても中心拠点エリアで、高徳線・徳島線・牟岐線の他、バスも各方面から発着しています
また長年検討されている在来線高架化工事も合わせて行えるメリットがあります。
②徳島空港駅案
徳島阿波おどり空港付近に新幹線駅の設置を検討。
空港周辺には、⼤塚製薬、パナソニックエナジー、サンスター、新明和⼯業等があり、新駅設置で商業・サービス施設のほかにも、製造業関連に強みを発揮できるメリットがあります。
③鳴門エリア案
出典:四国アライアンス地域経済研究会 2)7箇所に駅設置を検討。
JR鳴門線沿いをベースに鳴門駅をはじめ撫養駅、金比羅前駅、教会前駅、立道駅に併設する案の他、鳴門IC付近、および国道11号線鳴門市大津町付近などが候補地となります。
イメージ画像は恐らく鳴門駅付近に設置した場合のイメージパースでしょうか。
鳴門市は、著名な「うずしお」のある鳴門海峡、大塚国際美術館など観光地も揃っています。
また、徳島市と鳴門市で二拠点が整備され、県全体の発展も期待出来ます。
高知県
①高知駅案
高知駅南東側に併設して土讃線と並行させる案と、直角にして北側に乗り入れる2種類の案があります。
徳島駅と同様に、高知駅も高知市の代表となる拠点駅で、土讃線やバスが乗り入れするメリットがあります。
②後免駅案
後免駅北側に設置し、土讃線と並行して乗り入れる案を想定。
土讃線の他、土佐くろしお鉄道のアクセスも可能で、高知龍馬空港へのアクセスも近い(車で15分の距離)ことから検討されています。
更に企業団地や高知大学などの研究施設も集まっているのがポイントです。
愛媛県
松山駅案
愛媛県については松山駅のみが候補となっています。
現在既に高架化工事が進んでいますが、松山駅東側に乗りれることを想定。
徳島・高知両駅とは少し事情が違って松山市の中心駅は伊予鉄道の松山市駅なので、松山駅は広域輸送のターミナルとしての役割を担います。
まとめ
これまで新幹線のなかった九州・北海道・北陸にも着々伸びていく新幹線。
その中で、現在に至るまで唯一建設の動きがないのが四国新幹線です。
四国新幹線ができれば、JR四国の財政基盤もさることながら、何より高知や愛媛への時短効果は計り知れないものになるのでしょうね…!
どういう路線案となるのかはまだわかりませんが、是非とも早期に実現してほしいものですね。(私が生きている間には無理かな…)
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関連リンク
参考文献
- 四国アライアンス地域経済研究会「新幹線が都市を変える〜新幹線と四国のまちづくり調査〜」2022年6月
- 四国アライアンス地域経済研究会「新幹線が都市を変える〜新幹線と四国のまちづくり調査〜報告書」2022年6月