「こまちを保存できないか?」秋田県民に愛されたE3系の話

「こまちを保存できないか?」秋田県民に愛されたE3系の話

E3系R18編成「とれいゆ」が、2022年3月をもって引退することになりました。

R18編成といえば、元々は秋田新幹線「こまち」だった車両。E3系=こまちを思い浮かべる方も多いと思います。

 

電車でGO!2」「電車でGO!プロフェッショナル仕様」の看板路線として収録され、大曲の行き止まりや盛岡での連結作業、田沢湖線沿線にいるナマハゲへのボーナス警笛…など、数多くの名場面が生まれましたね。

 

そんな鉄道ファンから愛されたE3系こまちは、秋田県民の方にも愛された新幹線でした。

秋田県の県民の声には、 「E3系を保存できないか」という声まで上がったほどです。

 

現在、秋田新幹線こまちの車両が新型に置き換えが進んでおり、3月の改正では全て新型化とスピードアップがなされ快適で時間短縮となるのは非常に悦ばしい。
ただ、現在の「E3系こまち」の車両は、1997年の開業以来何度もお世話になり、また「秋田の風景」として定着していて非常に愛着を感じている。この車両が秋田で全く見られなくなってしまうことには、寂しさを感じずにはいられない。
そこで、県内(できれば沿線)に「E3系こまち」車両を保存すべきと考える。観光資源として展示すれば集客力もあると思うのだが、いかがだろうか。
昨年の秋田ディスティネーションキャンペーンのSL運転時の人出や、県立博物館の鉄道展の集客力などをみても、人を引き付ける力は強いと思う。
引退が迫っているため、時期を逃すと車両が過去の物になってしまうので、ぜひ検討を望みたい。

出典:秋田県「県民の声」

 

こういった声を受け、秋田県はどのような回答をしたのでしょうか。

 

 

 

「観光資源になる」

残念ながら、秋田県側の回答はこうでした。

 旧型こまち車両を保存することにつきましては、私を含め多くの県民が利用し、同様に愛着を持っていることに加え、県内外から観光客を誘客するための一つの有用な手段であると考えられることから、あなた様からのご提言を個人情報を伏せた上でJR東日本秋田支社に伝えました。
JR東日本秋田支社によりますと、こまちに使用していたE3系車両の一部は、東北新幹線内のみで使用し、利用状況に見合った列車の輸送力増強に活用していくとのことでした。
旧型こまちの車両を保存することができるとすれば、あなた様のご意見のとおり、本県にとりまして大きな観光資源となりますが、これをJR以外の者が保存することについては、現実的に多くの課題があることから、今後もJRに対し、引退後の車両の保存や活用などについて検討を求めてまいりたいと思います。
本年は、10月4日から1ヶ月間にわたり「第29回国民文化祭・あきた2014」が開催され、全国から多くのお客様がお越しになります。秋田の文化の魅力とともに、多彩な観光資源を全国に向けて発信し、体感していただくため、これからも地域の有形無形の資源に一層磨きをかけるなど、観光客の増加に向けた取組の強化に努めてまいります。

出典:秋田県「県民の声」

 

車両保存というのは固定資産税や車両外観の経年劣化による修復の為の維持費や、それらメンテナンスの作業員確保や人件費負担が大変ですし、輸送費用もかかって簡単にはいきませんね。

ただ、秋田県としてもキチンとJR側にその意向を伝えたり、「E3系は観光資源になりうる」という認識があり、環境が揃えば実現の可能性があることを匂わせる一文でした。

 

 

この他にも

市民の声による投書は他にもあり…

 「新幹線こまち」の件です。 今やスーパーこまちが出て来て引退になりますが、 旧こまちの車両を使用し旧田沢湖線を走らせては如何でしょうか?
聞くところによると開業から何年にもなってはいますが、全て廃車にするとか!?もったいないし「ローカルこまち」で知事の力でJRに折衝して出来ないものでしょうか?
三両編成のこまちに乗って秋田から田沢湖・角館のローカル観光の目玉になる気がしますが、如何でしょうか?
今でも普通列車の新幹線軌道で走っている車両があります。それを特急こまちで動かして観光客を誘致し秋田を活性化の起爆剤に出来る気がします。

車両保存の他、秋田県内だけを走行する「ローカルこまち」として運行できないかという案も出るほどでした。

 

 あなた様からご提言のありました旧型こまち車両を田沢湖線の列車として運行させることにつきましては、個人情報を伏せた上でJR東日本秋田支社に伝えました。
JR東日本秋田支社によりますと、通常、代替わり等で運行しなくなった車両の取扱いについては、車両の状態等を考慮し決定しており、今後順次入れ替えられる旧型こまち車両は、現時点では廃車する方向のようですが、最終的な取扱いについては、全ての車両を入れ替えた後に検討する予定にしているとのことでした。
列車の運行や車両の運用につきましては、もとよりJR東日本が採算性や諸事情を考慮して判断することではありますが、田沢湖線は、角館駅や田沢湖駅などで多くの観光客が乗降することから、本県へ観光客を誘客するための重要な路線であると認識しており、より利用しやすい魅力ある路線になるよう取組を進めていかなければならないと考えております。

残念ながらこのような回答であり、現在もE3系の保存には至っていません。

 

この声はE3系が秋田新幹線から撤退した2014年のものですが、今年2021年にはE3系が秋田新幹線からでなく東北新幹線からも撤退をはじめています。

E3系車両を保存するのであれば、今年~来年あたりが最後のチャンスになるかもしれません。

もちろん莫大なお金がかかることなので、簡単に「保存して」とは言えませんが、鉄道ファンの心情としてはやはり「こまちカラーのE3系」を置いておいてほしいなという想いはありますね。

E3系の処遇、今後どうなっていくでしょうか。

 

 

関連リンク

【JR東日本】山形新幹線に25年ぶりの新型車「E8系」を導入!300km/h運転を実施

【JR東】はやぶさ15号、グランクラス抜きの7両で運転へ

 

参考文献

秋田県「県民の声

ろくいちさんのツイート

 

 



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