2020年3月4日、北神急行電鉄(新神戸~谷上 7.5km)の神戸市への鉄道事業譲渡が国土交通大臣により認可されました。譲渡金額は198億円です。
これによって2020年6月1日より、北神急行電鉄は「神戸市営地下鉄北神線」として運営することになります。
民営鉄道の市営化は、かつて大阪でも大阪港トランスポートシステム(ただし第三セクター)が大阪市交通局へ組み入れられた事例があります。
神戸市交通局は、本年6月1日より北神急行線にかかる資産等を阪急電鉄グループより譲り受け、市営地下鉄と一体的に運行することとし、準備を進めています。今後、新しい料⾦等、詳細が決定次第、随時ご案内してまいります。
本日(令和2年3月4日)、北神急行線の市営化に向けて、神戸市、北神急行電鉄株式会社及び神戸高速鉄道株式会社が国土交通大臣に対し行っておりました認可申請について、下記の通り認可されましたのでお知らせいたします。
出典:神戸市「北神急行線と市営地下鉄との一体的運行(市営化)について」
運賃が大幅に値下げ
今回の所謂「市営化」で、運賃が大幅に値下がりします。例えば谷上基準だと次の通り。
・谷上から三ノ宮まで:550円→280円
・谷上から長田・大倉山まで:580円→290円
・谷上から板宿・新長田まで:620円→310円
・谷上から西神中央まで:750円→480円(270円割引)
また市営地下鉄化により、1日乗車券や敬老優待乗車券、福祉乗車制度の対象範囲同線へと広がる見込みです。
決算を見ると
2017年度の北神急行電鉄の決算によると、1年の利益は1億3500万円の黒字を出していましたが、これまでの建設費などを含めた借金総額については279億1300万円もありました。
このままだと、全ての借金を返し終わるまで280年近くかかることになります。
そこで、次のようなスキームを作りました。
①.施設自体を神戸高速鉄道に渡して税金の負担や施設補修費などを肩代わりしてもらいます。北神急行は神戸高速鉄道が保有する谷上~新神戸間を走らせてもらう、第二種鉄道事業者になります。
②.次に阪急電鉄が270億円近くを北神急行へ金利なしで貸すことにしました。それと引き換えに、阪急電鉄が親会社となりました。
③神戸高速鉄道が施設を保有するのはとりあえず20年だけで、それ以後は全て阪急電鉄が引き継ぎます。
このスキームの実行途中に、今回の市営化が実行されることになりました。
借金総額が279億円なのに対して神戸市への譲渡額が198億円なので、80億円近くを阪急が負担する形となっています。
北神弓子さんや車両はどうなる…?
出典:http://www.hokushinkyuko.co.jp/railway/character.html
神戸市営地下鉄の車庫公開など、各地で人気を博していたキャラクター「北神弓子さん」の今後の処遇はどうなるのでしょうか。
にゃんばろうの例では、マークを一部変えて帰ってきたケースもありますが、果たして…?
https://twitter.com/kobekoho/status/1235109314655711232
また、現在同社では7000系が就役中ですが、車両についてはどうなるのでしょうか
先述したOTSの場合だと、ニュートラムにおいて、引退するまでそのままのカラーで走り続けた例があります。
北神急行の場合も、特に更新やリニューアルがない限り、そのままのカラーで走り続けるものと当サイトでは予想しています。
関連リンク
【決算】北神急行電鉄、2017年度は1億3500万円の純利益(黒字)を計上