「げろしお」とは、大阪~和歌山~白浜で運行されている特急「くろしお」のうち、特に初期投入された381系のことを指します。
現在の振り子電車はカーブを事前に察知して、違和感のないように振り子を徐々に動作させる仕組み(制御付き自然振り子式)ですが、それ以前の初期に開発された381系は自然式振り子という、遠心力に任せて振り子を動作させる仕組みでした。
そうすると「振り遅れ」や「揺り戻し」と呼ばれる、自然慣性では出ない挙動が発生するために乗り物酔いする人が続出。
乗り物酔いの結果吐いてしまうケースが多かったことから、ゲロ(嘔吐物)+くろしおで「げろしお」という俗称がついた…とされています。
振り子しない電車が投入
現在は「くろしお」への振り子式電車導入が、283系「オーシャンアロー」編成を最後に途絶え、振り子のない287系特急電車が導入されていることからか、この不名誉な名前もあまり聞かないようになりました。
また、「振り子車両で気分が悪くなる」というのはくろしおだけに限らず、四国の「南風」などでも同様のケースが発生していたり、産経新聞の記事ではくろしおと同じ車両を使う岡山の特急「やくも」にも、「はくも」という俗称が発生していると報じられています。
JR西には乗客から「乗り物酔いする」といった苦情も寄せられ、インターネット上では特急“げろしお”や“はくも”などと揶揄(やゆ)されている。
出典:『カーブで揺れる特急…乗り物酔い続出で引退へ 国鉄時代の「振り子式電車」 スピードアップに貢献』産経WEST
https://www.sankei.com/west/news/150522/wst1505220039-n2.html
https://twitter.com/hinary_train_/status/1088004793337958401