2017年11月17日、南海電気鉄道株式会社は「2018年3月期 第二四半期(2Q)決算」(4月1日~9月30日の営業成績)を発表しました。
※…Qは「クォーター」の意
グループ全体
出典:http://www.nankai.co.jp/library/ir/setsumei/pdf/setsumei_171117.pdf
売上高(営業収益):1082億4300万円(-1.8%)
営業利益:167億8300万円(-5.1%)
経常利益:147億3800万円(-3.2%)
売上高は前年度比で1.8%減の1082億4300万円、営業利益は前年度比5.1%減の167億8300万円となり、減収減益となっています。
南海電気鉄道グループの主要事業と売上構成比は運輸業(38.8%)、不動産業(13.2%)、流通業(13.9%)、レジャー・サービス業(15.4%)、建設業(17.7%)と、不動産業メインが多い昨今の鉄道企業としては珍しく、鉄道などの運輸業が主軸となっています。
運輸業:インバウンド効果は上がるも…
運輸業全体については売上高が504億6700万円(前年度比+1.9%)、営業利益は81億5200万円(前年度比-2.1%)と増収減益でした。
インバウンド効果による空港線の大幅な増収(半年で6億円増、定期券・定期券外含む)の恩恵を受けているものの、8300系の増備による減価償却費の増加を受けて、利益については減収となっています。
出典:http://www.nankai.co.jp/library/ir/setsumei/pdf/setsumei_171117.pdf
バス事業も空港リムジンバスの増加による売上高の増加は見られましたが、人件費・減価償却費の増加もあり、鉄道事業と同じく減収となっています。
鉄道事業については、本年の台風21号の影響で南海本線 尾崎~樽井間が不通になったことから、今年度の決算においてもその影響があるものと思われます。
運輸業には南海電鉄、南海バスの他、阪堺電気軌道や関西空港交通、徳島バスなども含まれます。
建設業:大幅な減収
南海電鉄において、鉄道輸送の次にシェアを取っているのが建設業。南海辰村建設など著名企業がここに入りますが、2Qは売上高が196億9700万円(前年度比-6.1%)、営業利益は8億1600万円(前年度比-26.0%)と大幅な減収減益でした。
建設業については、現在南海会館ビルの建設が進んでおり、2018年9月の竣工が見込まれています。
流通業:増益!
流通業については、2Q売上高が178億2300万円(前年度比-0.7%)、営業利益は1億9200万円(前年度比+0.6%)と減収増減益でした。
意外にも、大阪市営地下鉄の駅売店(ekimo事業)を手がけているのはこの部門で、ekimoの売上が減少したことを理由として挙げています。また泉大津・住之江に新しく開業した「N.KLASS」による増益の恩恵を受け、営業利益は微増となりました。
流通業部門には、先ほど挙げた「ekimo」事業の他、なんばパークスやなんば・いずみおおつCITY、アンスリーなどが含まれます。
レジャー・サービス業:好調
レジャー・サービス業については、2Q売上高が186億1700万円(前年度比+1.0%)、営業利益は9億9700万円(前年度比+32.0%)と大幅な増収増益で好調です。
「みさき公園」などの遊園業において入園者数が増加、また住之江競艇場の施設賃貸業における舟券売上増加の影響もあり、この分野においては好調さを見せています。
関連リンク
参考資料
南海電気鉄道『第2四半期決算説明会 』<http://www.nankai.co.jp/library/ir/setsumei/pdf/setsumei_171117.pdf>