【近鉄】2018年度本決算は横ばい。当期純利益は+12.8%と好調

2018年5月15日、近鉄グループホールディングス株式会社は「2018年3月期 本決算」(4月1日から1年間の営業成績)を発表しました。

今回の決算は1年の総まとめ決算である「本決算」であり、ここで出た数値が1年の売上データとして計上されます。

だいたいの鉄道系企業がこのスケジュールで発表しており、近鉄も同じスケジュールとなっております。簡単に言うと、3月31日締めで出した数字を5月15日に発表した…ということになります。

今年1年の決算内容はどうだったのでしょうか。見ていきます。

 

ホールディングス全体

 売上高(営業収益)  営業利益  経常利益  当期純利益
 2017年度 1兆2048億6700万円 648億2800万円 566億8900万円 262億4700万円
 2018年度 1兆2227億7900万円(+1.5%) 646億4300万円(△0.3%) 613億2300万円(+8.2%) 296億1400万円(+12.8%)

※営業利益…本業の収益の部分。経常利益…本業以外の収益/費用を加減算した数字。
当期純利益…経常利益から単発的に発生した収益/費用と法人税を計上した数字。

 

売上高は前年度比で1.5%増の1兆2227億7900万円、営業利益は前年度比0.3%減の646億4300万円と増ほぼ横ばいを記録しています。また、当期純利益については12.8%増の296億1400万円をマークしています。

あべのハルカスの業績が好調な他、ホテル・レジャー業で個人旅行が旺盛だったこともあり、売上高は増収となりました。

一方で、運輸業において大阪地区統合指令所を稼働させたことによる減価償却費の増加や、不動産業で保有土地の大口売却があった反動によって、営業利益においては微減となっています。

 

近鉄グループホールディングスの主要事業と売上構成比は、鉄道・バスなどの運輸業が19.2%、不動産業が12.6%、流通業(あべのハルカス・近鉄百貨店)が31.5%、ホテル・レジャー業(志摩スペイン村、海遊館など)が39%となっています。

今回は、その中でも主要4事業について取り上げます。

 


運輸業:営業利益は減少へ

営業収益(売上高)  前年度比 営業利益  前年度比
2017年  2319億8900万円  309億8100万円
2018年  2281億8600万円  △1.6%  292億600万円  △5.7%

運輸業については減収減益となりました。

近鉄電車などの鉄軌道における乗客数自体はインバウンド効果やG7伊勢志摩サミットで好調だったようですが、先述した南大阪線の運転指令を大阪地区総合指令に移転するなどによる減価償却費増加を受けたことを理由に減収増益としています。

出典:http://www.kintetsu-g-hd.co.jp/ir/zaimuinfo/data/2018/h3003ki4q20180515_siryou.pdf

個人的に気になるのはそれ以外で、バス・タクシー・交通広告・レンタカー・観光施設において前年度比減収、鉄軌道とバスにおいて前年度比減益と今ひとつふるいません。

 

不動産業:増収増益

出典:『ローレルコート心斎橋』
https://www.kintetsu-re.co.jp/mansion_kansai/osakacity/shinsaibashi140/design/index.html

営業収益(売上高)  前年度比 営業利益  前年度比
2017年  1521億7600万円  168億2800万円
2018年  1495億6500万円  △1.7%  162億9700万円  △3.2%

不動産業については減収減益となりました。

2Q時点では不動産販売業においてマンション分譲戸数の増加を背景に大幅な増収を記録していましたが、保有土地売却による反動を理由に最終決算では減収となりました。

不動産賃貸部門では大阪のオフィス不足を背景にあべのハルカスが順調に推移したほか、首都圏で購入したオフィスビルの収益もあり、増収となっています。

不動産業セグメントには分譲マンション「ローレルコート」「プレイズ」、商業施設「てんしば、上本町YUFURA、な・ら・ら、ル・シエル学園前、ソリヤ藤井寺」などが含まれます。

 

流通業:あべのハルカス効果で増収

営業収益(売上高)  前年度比 営業利益  前年度比
2017年  3799億8700万円  53億5900万円
2018年  3958億1700万円  +4.2%  70億8000万円  +32.1%

流通業については絶好調で、大幅な増益を記録しています。

あべのハルカスへのインバウンド観光客来場数増加の恩恵を受けている他、隣接する「あべのソラハ」の売場改装効果も見られます。

流通業セグメントには「近鉄百貨店・近商ストア・ampmから転換したファミリーマート、近鉄特急内の車内販売事業」などが含まれます。

 

ホテル・レジャー業:クラブツーリズムが好調

営業収益(売上高)  前年度比 営業利益  前年度比
2017年  4708億1900万円  98億2200万円
2018年  4786億6900万円  +1.7%  96億2700万円  △2.0%

ホテル・レジャー業については減収減益となりました。

金沢都ホテル・沖縄都ホテルの閉館・売却によって、ホテル部門は減収となりましたが、個人旅行ツアー部門である「クラブツーリズム」における平昌オリンピックへの受注などに注力したことにより、ホテル業の損失を補う好調さを見せました。

ホテル・レジャー業セグメントには「都ホテル」や「パルケ・エスパーニャ」「海遊館」「近畿日本ツーリスト」などが含まれます。

 

関連リンク

【近鉄】2018年3月期2Q決算は増収増益で好調!伊勢志摩やインバウンド効果で電鉄事業も復調へ

【鉄道IR】関西5大私鉄の業績を分析してわかった各社の主力ビジネス

 

参考資料

近鉄グループホールディングス『2018年3月期 決算説明資料 』<http://www.kintetsu-g-hd.co.jp/ir/zaimuinfo/data/2018/h3003ki4q20180515_siryou.pdf>

近鉄グループホールディングス『平成30年3月期 決算短信 』<http://www.kintetsu-g-hd.co.jp/ir/zaimuinfo/data/2018/kessantanshin20180515.pdf>

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