岡本太郎の14個の名言・語録選から学ぶ哲学

岡本太郎の14個の名言・語録選から学ぶ哲学

岡本太郎氏は、EXPO70「大阪万博」において太陽の塔を制作した著名な芸術家です。

この他数少ないながら、鉄道関係でも彼の作品があります。

 

例えば近鉄南大阪線6800系「ラビットカー」のロゴや…

 

近鉄バファローズの「猛牛マーク」のデザインなど。近鉄関係が多いのは、近鉄球団の選手であった千葉茂氏と意気投合したのがきっかけという話があります。

この他、JR発足記念メダル「出発」や、西日本鉄道高速バス「どんたく号」などにも岡本太郎氏が採用されています。

 

 

70年万博から今年で50年。大阪では2025年に万博が再び開かれようとしています。それにあわせて、岡本太郎氏も近年再評価されるようになりました。

驚くべきことに、彼が言った50年前のセリフは、現代でこそ刺さるものがあるのです。

 

これは、あの時代から岡本太郎氏が50年先を既に見ていたことに他ならないでしょう。

今日はそんな岡本太郎氏の語録を、参考文献と共にご紹介したいと思います。

 

 

語録

 

日本の美

いま日本で美しい、カッコがいいといわれているものは、すべて西洋の美の影響を受けている。
文明から取り残された未開の人たちにこのカッコよさ、美しさが理解できるだろうか。
私は近代工業をもたない国の人たちにもわかる展示にするため、
日本の縄文文化、中国やメキシコの古代文化における人間の力強さ、神秘性、原始的な美に目を向けた。」

出典:朝日新聞、1968年3月26日付

 

今日は何といってもすべてが西欧風のモダニズムを基準にしている。芸術もニューヨークやロンドン、パリを向いている。でなければその単なる裏返しである。いわゆる「日本調」、伝統主義だ。それらに対して、ノーと言うべきだ。断絶しなければならない。
この1970年の時点で、ここにこそひらく、独自なもの。古今東西、どこにも決して無かったし、これからも恐らく作られないであろうようなものを、今ここに生きている者の責任と情熱で、いどみ、つきつける

出典:読売新聞「”太陽の塔”と私」 1970年5月25日

 

五重塔ではない日本。ニューヨーク、パリの影でない日本。

出典:読売新聞「”太陽の塔”と私」 1970年5月25日

 

 

日本人が日本の文化を強調したいなら外国の模倣や過去にあったものであってはならない。
日本的といわれたものを否定して新しいものを作り出そうというのが、現時点での私の態度だ

出典:「南日本新聞」1963年7月1日

 

 

縄文文化こそわれわれの伝統である。ヨーロッパの美学とはちがったもうひとつの美学がある。西欧の、部品的な行きづまってしまった美学に対して、もっと根源的な大地に根をおろしたような、割り切れない、だからこそ神秘的な、そういう美学がもうひとつある。

出典:『デザイン批評』1968.季刊6号

 

べらぼうなものを造るときこそ最も綿密な神経がいる。
”はらわた”はパリ時代、絵かき仲間で使っていたことばだ。
小市民的な感情で解釈されては困る。

出典:中国新聞 1969年1月9日付

 

 

やりたいこと

 

自分のやりたいことをやらないで、他人の目ばかり気にするのが日本人だ。そういう根性をこの際ぶっつぶしてしまうことだ。
万国博は、ある意味で開びゃく以来のムダ使いなんだ。その大ベラボーなムダが、これまでの日本人の性格に、なにか広がりを与えるだろうと、ぼくは期待している。

出典:徳島新聞 1968年1月1日付

 

何より当時、関係者をはじめ、いわゆる有識者といわれるような人たちがひたすら気にかけたのは、世界に対して恥ずかしくない催しが出来るか、ということだった。自分が何をするか、何をやりたいかということよりも、まず外国人に笑われないようにと心配する。明治以来のコンプレックスだが。

出典:「万国博ここに開く」、『万博グラフ総集編』共同通信社 1970年

 

くれぐれも言うが、優等生の答案みたいなものを作っても仕様がない。
日本人に今もし欠けているものがあるとすれば、ベラボウさだ。チャッカリや勤勉はもう十分なのだから、ここらで底抜けなおおらかさ、失敗したって面白いじゃないかというぐらい、スットン狂にぬけぬけした魅力を発揮してみたい。日本人の精神にも、そういうベラボウなひろがりがあるんだ、ということをまず自分に発見する、今度の大阪万博が新しい日本人像をひらくチャンスになればうれしい。

出典:朝日新聞「祭りの魅力を」 1967年8月5日

 

太陽の塔

 

(太陽の塔の目玉に登った男の報道を受けて)イカスね。ダンスでも踊ったらよかろうに

自分の作品がこういう形で汚されてもかまわない。聖なるものは常に汚されるという前提を持っているからね。金色の顔もその下の太陽の顔も無邪気な顔で怒っているよ

出典:「毎日新聞」大阪版 1970年4月27日夕刊3面、11面

 

極論すればかつて人間は祭りのために生きていたといってもいい。それがいまではどうだろう。会社であくびをしながら退勤時間を待つ。そして隣が車を買ったから自分も買う。
行かなければ話ができないとの理由で行楽地へ出かける。そして”ああ、楽しかった”という。
なにが楽しいものか。それは全くの幻想だ。真の遊びとは程遠い

出典:日本経済新聞 1967年6月24日

 

 

過去観、未来観

閉鎖的な社会では、因習と伝統の上で、忠実に過去をなぞっていけばよかった。

しかし現代の社会では、それは怠慢である。

出典:「日本万国博 Vol.7」1968年

 

未来なんて言葉を聞くとゾッとする。

過去も現在も何も決定していない時に、未来なんていわれると。

出典:「DIE WELT」1969年1月

 

その他

ある人が言った。
「あなたは絵描きさんでありながら、さかんに文章も書くし、いったいどっちが本職ですか」

「本職?そんなものありませんよ。バカバカしい。もしどうしても本職って言うんなら『人間』ですね

出典:「岡本太郎の眼」1966年、朝日新聞社

 

 

重視した言葉

岡本太郎氏が何より重視したのは、その「言葉」です。

イメージになっていない何か、もやっとした何か、それらをまず過去の歴史や民俗学等の知識から引用して言葉にする。そして、その言葉から作品を制作し始める。

これは岡本太郎氏が幼少の頃、「何故絵を描くのか」という問いに苦しんできたからこそでもあります。

 

今回ご紹介した文言を見て、ハッとさせられた方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。

今はまだうまく言葉に出来ませんが、私も言葉にする能力をもっと身につけたいと思います。

 

 

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